酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年10月13日(金) 『QED〜ventus〜御霊将門』 高田崇史

 時は春、三月末の薬局は花粉症の患者さんで忙しい。ホワイト薬局できりきり働く棚旗奈々は元気で姉思い(?)の妹・沙織の画策でタタルさんこと桑原崇と3人でお花見に行くことに。うきうきと桜の名所、九段千鳥ヶ淵へ出かけてみたら、いつの間にやら日本三大怨霊のひとり平将門にまつわる場所を巡りはじめ、タタルの謎解き&講釈もはじまった!(笑) 怨霊に祀り上げられた将門とはいったい・・・?

 うーん、面白いv QEDシリーズで解き明かされる謎を読んでいると知っているはずの歴史の違う顔を垣間見ることができて本当に楽しいです。漠然と頭の隅っこに眠る知識と目の前で繰り広げられる謎解きとのギャップが大きければ大きいほどに面白いなぁと感心することしきりであります。歴史の真実っていったいどこにあるのかしら。なんだか時の為政者の都合のいいカタチで歴史が作られていて、その陰に隠れている真実って残された真実の欠片から想像するしかないって繰り返し教えられる気がします。ただ通り一遍に教えられた歴史の教科書の知識ではなく、自分の目で心で疑問を感じて考えて想像すると歴史は壮大な浪漫となる・・・。うーん、QED片手に将門の縁の場所を巡りたくなってきましたよんよんよん。

もっと俺たちは、昔、この国では一体何が行われてきたのか、それをしっかりと知っておく必要がある。そして怨霊を作りだしてきたのは誰なのか、なぜ怨霊が生まれなければならなかったのか。その点をきちんと把握しておかなければならないと思う

『QED〜ventus〜御霊将門』 2006.10.5. 高田崇史 講談社



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