酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年10月17日(火) 『ミーナの行進』 小川洋子

 家庭の事情で親戚の家で暮らすことになった朋子。岡山の田舎から新神戸に降り立ち、ダンディでカッコいい伯父様に連れられて芦屋へ。ドイツ人のオシャレなローザおばあさん。誤植探しに一生懸命な伯母さん。お手伝いの米田さんと小林さん。そして、身体が弱い美少女ミーナとペットのポチ子。あの家で過ごした日々の想い出は損なわれることがない・・・。

 美しくて心に優しい物語にうっとりしながら読み終わりました。小川洋子さんの文章と寺田順三さんのイラストがぴったりと合っていて、まるで音楽(美しいハーモニー)を読んでいるかのようです。朋子が親戚の家で過ごした日々が丁寧に心優しく綴られていてせつないほどに懐かしく感じました。従姉妹の美少女ミーナとマッチとポチ子、その愛しいものたちを朋子は優しく愛しく見守ります。ああ、自分は朋子に同化して物語に参加できていたのかもしれないなぁ。オススメですv

 しかし、現実が失われているからこそ、私の思い出はもはや、なにものにも損なわれることがない。

『ミーナの行進』 2006.4.25. 小川洋子 中央公論社



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