酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年10月19日(木) 『空飛ぶタイヤ』 池井戸潤

 赤松運送の社長・赤松は33歳の主婦の通夜に出ていた。赤松運送の大型トラックのタイヤが外れ、主婦を直撃、主婦死亡・・・。タイヤが外れた原因が整備不良にあるとされ、赤松は窮地に立たされる。赤松の会社の整備士はキチンと整備をしていた。赤松はトラックの製造元ホープ自動車に問題があるのではないかと考える。財閥系の企業である大手自動車会社を相手に赤松の戦いが始まった。中小企業の社長の赤松に降りかかる数々の試練。そして赤松を支える家族や会社の部下達。事故の原因はどこにあるのか?

 面白かったです。内容はシビアなので面白いと言うと語弊があるのかもしれませんが。この物語の財閥系自動車会社はアル自動車会社を彷彿とさせます。リコール隠し・・・目先の利益を追うばかりに人の死すら見ないふりをしてしまう。そんな企業に翻弄される普通に生きている人たち。命は金に替えられない。そんな当たり前のことを見失った人間たちの行き着く先とは・・・。町の中小企業の社長の赤松が本当に頑張って頑張って見事です。「赤松がんばれガンバレ」と手に汗を握って応援しつつ読み終わりました。企業小説なんてジャンルでここまで入れ込んで読めたのはハジメテのことかもしれません。オススメですv

 命の尊さを前にして、プライドもへったくれもあるものか。

『空飛ぶタイヤ』 2006.9.25. 池井戸潤 実業之日本社



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