酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年12月07日(木) 『月光』 誉田哲也

 野々村涼子は18歳で事故死。無免許の同級生のバイクに撥ねられたのだ。姉を大好きな妹の結花は姉の事故死を不審に思い、姉の通っていた高校に入学。探り続けるうちに美しく優しく清楚だった姉の知らなかった姿が見えはじめてきたのだが・・・!?

 人間は誰にでも人に言えない秘密がある。それは言えないから秘密。それを暴くということは残酷で悪趣味なことだなぁと思うのでありました。ただ、この物語の死んでしまったヒロイン涼子ちゃんは謳い文句にあるような“おぞましい”秘密ではなく、その秘密こそが涼子ちゃんの心の美しさを証明したと感じました。涼子ちゃんの悲惨な体験に関しては確かに“おぞましい”ですケレドモ、“おぞましい”のはそれを引き起こした人間の方。若さゆえかもしれない。でもあれはちょっと・・・。

『月光』 2006.11.30. 誉田哲也 徳間書店



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