酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
DiaryINDEX|past|will
2006年12月25日(月) |
『親不孝通りラプソディー』 北森鴻 |
博多の屋台の親父キュータは、屋台を譲り渡して消えた親友テッキと体験した騒動を思い出していた。1985年の夏、テッキもキュータも17歳の高校生。美人局にひっかかって法外な金を請求されたキュータが金を作ろうと悪事を働くうちにテッキまで巻き込まれ、そして・・・
北森鴻さんはものすごく好きな作家さんのお一人で、私的北森鴻NO.1が『親不孝通りディテクティブ』です。忘れられない時期を博多で過ごしたため、自分の思い出とともにフラッシュバックする懐かしい風景にメロメロなのです。しかも、主人公のテッキは愛してやまない博多を捨てて去っていく・・・このエンディングに何度読んでも泣かされるのであります。そのテッキとキュータが帰ってきた(驚)!と言うことで熱い思いをなだめながら一気読みしました。ディテクティブでの終わり方からするとテッキが博多復活はありえないと思っていたので、どう復活させたのか興味津々。まぁ、当然と言うか順当と言うかキュータの回想というカタチを取りました。しかも、ディテクティブよりハードな事件を体験していたあたり、後付の物語らしいと苦笑。ドタバタな事件よりも今回のエンディングにまた鳥肌でした。このラスト数行のために起こった事件と言っても過言ではないのですものねぇ。ディテクティブを超える事はなかったものの、あの心に痛いほどに懐かしい博多の風を感じることが出来て本当に本当に嬉しかったです。テッキ最高v
「あちゃあ、なんでんかんでんひっくるめて、ちんちろまいったい」
『親不孝通りラプソディー』 2006.10.25. 北森鴻 実業之日本社
|