酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2007年01月08日(月) 『声の網』 星新一

 もしかして星新一さんは未来から昭和の時代に時間旅行をしてきて、そのまま居着いてしまったのじゃないかしらん。そんなことを本気で考えるほどに『声の網』は素晴らしいものです。これって初版が1970年だと言うのですよ(驚愕)。その頃に今のネット社会を見通していたような物語運びに呆然としました。このことを知っていたに違いないですよー(本気)。メロンマンションの住人達が不思議な<声>に翻弄される。その声の主は・・・と言った流れなのですが、12の住人たちが右往左往。バラバラのピースがカチッとひとつに合わさった時にオソロシイ現実が。これは今のことかもしれない。もう少し先の未来のことかもしれない。予言されている・・・。おそるべし、星新一!

まさかという言葉のつみ重ねが、歴史さ。人間がそれを口にするのは、有史以来、無間の回数だろう

『声の網』 星新一 角川文庫



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