酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2007年01月13日(土) 『黒と白の殺意』 水原秀策

 「えぐる」「しのぐ」「さばく」「いじめる」「死ぬ」「殺す」・・・こんな特殊な専門用語に満ちている囲碁業界で、プロ囲碁士・椎名弓彦は「殺し屋」の異名を持っている。弓彦は、対局で訪れたホテルで起きた殺人事件に巻き込まれてしまう。日本囲碁協会の大村理事が股間と胸を刺されて絶命している現場に遭遇してしまったのだ。容疑者として浮かび上がったのは弓彦の弟・直人だった。事件の真相を調べていくうちに日本囲碁協会の不正の数々に行き当たり・・・!?

 これは面白かったですねー。囲碁のことも囲碁業界のことも全く知らないで読みましたが、じゅうぶんに楽しめました。スケート連盟の不祥事に通ずるものがあり、閉ざされた世界での不正って多いのかもしれないなぁと。登場する人物たちのキャラクターがすごくいい。言葉のやりとりが洒落てるんですよね。読んでいてウフフと笑えてしまうような日常感です。水原さんはこれからも注目したい作家さんのおひとりです。オススメv

『黒と白の殺意』 2006.12.18. 水原秀策 宝島社



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