酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2007年01月14日(日) 『欲しい』 永井するみ

 由希子は人材派遣会社『ミネルバ』を経営する42歳独身。愛人の久原が訪ねて来て帰った後に派遣ホストのテルを呼ぶ。彼が帰った後の寂しさをテルに埋めてもらうために。ある日、派遣先でスタッフの槙ありさと言う女性がトラブルを起こした。別れた旦那が金の無心に会社に現れて騒ぎになったと言うのだ。詫びに行った由希子は、槙ありさの別れた旦那と遭遇する。その男・優也はきれいな男だった。なにかしら心惹きつける優也をめぐり、由希子が久原がテルがありさが・・・!?

 永井するみさんモノは面白いんですよねー。大好きです。今回のタイトル「欲しい」の意味をどこに投影すればいいのかしら、と言うくらいに「欲しい」思いのオンパレード。由希子の「欲しい」が一番理解できるし、テルの「欲しい」は賢いなぁと感嘆しました。久原と優也とありさはどうかなぁ。わからないなぁ。その不可解さが面白いのですケレドモ。派遣ホストって言うのは現代ならではの職業だわ。質が高いことが素晴らしい。寂しい心を埋めて欲しいってわかるんだよね。しみじみ。意外な展開と落ちもイマドキなのでありました。

『欲しい』 2006.12.20. 永井するみ 集英社



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