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■ 最近の波
群ようこ作品を読んでいます。 20代初めの頃、恩師に、「最近、群ようこという人の作品が面白いんですよ」と言われたことがありました。あなた(=当時の私)の年代だとあまりピンとこないかも知れないけど、と、いやな感じではなく。 読書という経験においては、いつ出会うか・読むかということもまた重要な場合が多々あります。面白いことです。 やはり20代半ばの頃、「鷺沢萠がいい」と言われて(別の方からですが)、その時はピンと来なかったのだけどずっと後で熱中した、というようなこともありました。先達の言葉は聞いておくものだ、という教訓にもなりましょうか。
最近、乙女系ブログ(と言っていいのか)などで、山口瞳の作品を取り上げたり、好きだという婦女子の方(30歳になるかならぬかの世代の方が多いのかな)をしばしば見かけ、これはどういうことだろうかとずっと思っていました。山口瞳は国立在住時代に「郷土の文学」(笑)として読んでいたし、決して嫌いな作家ではないのだけれど、それにしても、と。 近年、人気の古本屋さんなどで取り上げられたりしていましたが、文庫その他で新装刊されたりして手に取りやすくなったということ、また、『男性自身』の挿絵を描いていた柳原良平氏のイラストが、雑貨的コンテクストでグッズ化されていること(これは大きい気がする)なども後押ししているのでしょうか。 わかる、わかる、わかるけれど、ちょっとむずむずする気持もあるのです。
対照的な読書をするとしたら、と考えました。 最初に思いついたのは田辺聖子です。ほとんど小学生以来です(すなわち、よくわかって読んでいないということに等しい)。 そんなに読んだことはないのだけれど、すごくかわいらしい女性だということはわかります。その昔『暮しの手帖』で連載されていたエッセイも楽しみに読んでいましたし。でも、そのチョイスは対照ではないな(そもそも「かわいらしい」と言うことからして失礼な気もする)、と思い直し(もしかしたらむしろ佐藤愛子を読むべきなのかも、などとも思いつつ)、なぜかふと群ようこを手に取ってみたというわけです。
群さん自体は小説よりむしろエッセイが書けるようになりたい、とかつておっしゃっているようなのですが(今は不明)、特に小説を面白く読んでいます。 ざっとググってみただけですが、作品全体を網羅したファンサイトが見あたらないように見えるのも面白いです(部分的に取り上げたものはあるようだけれど)。読者は多いと思うのに。
2005年10月18日(火)
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