冒険記録日誌
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| 2021年02月23日(火) |
ドラゴンをさがしに(ロメオエーニョ・アルノープトル/すごろくや) |
児童書のようなゲームブックのような不思議な本。 まるで大型の仕掛け絵本のような装丁、中身もカラーの絵がいっぱいで、絵本感覚で読むものみたいです。 本と言っても、取り扱いは本屋ではなく、ボードゲームやカードゲームのようなアナログゲーム専門店「すごろく屋」で販売しています。ちなみにamazon等でも買えますよ。 物語の舞台はゲームブックでも一般的なファンタジー世界で、ちょっとほんわかな雰囲気の世界観。 主人公は、素朴な小さな村で暮らしていたようですが、ドラゴンをお迎えに行くことになったのです。 ドラゴンに会いに行くといっても、退治ではなくお迎えであって、それは何のためなのか、そのために何故主人公が旅立つのか、まったく説明がありません。その辺は適当に想像しましょう。 主人公は女戦士のリナ、猫族?の盗賊のサシャ、魔法使いのチモンの中から選ぶことができます。 冒険中にメモの必要はないのですが、代わりに本の四隅に仕掛けの円盤があって、そこにいろんな品物やらが描かれています。その円盤を回して、該当の絵を見える位置に合わせることで、今所持している盾だの魔法の道具などのアイテムやケガの具合を確認できるシステムとなっているのです。 ゲームブック的には完全な一方向システムで、選択肢を選びながら、村で準備を整え、危険地帯などを通り抜け、ドラゴンに話しかけたり戦ったりしたうえで、エンディングを迎えるというもの。 普通のゲームッブックのように本のページを前に戻したりすることはありません。途中でゲームオーバーになることもないので、必ず最後まで進めることができます。 エンディングは3種類。選んだ主人公によって、正しいルートは違ってきますが、初回プレイだと、だいたいノーマルエンドに行きつくようで、私も娘っ子も何度かプレイしましたが、ドラゴンに食べられてしまうバッドエンドには、一度もならなかったですね。 最初にいったとおり、絵本感覚で読めるので、ゲームブックをまったく知らない人にも抵抗感はないんじゃないでしょうか。それでいてアイテムやダメージの存在もあって、ゲーム性もちょっぴり凝っているという。 娘っ子も最初は読み聞かせて選択肢を選ばせていたのですが、2回目からは一人で遊んでいましたし。まあ、娘っ子にはすでに何冊か簡単なゲームブックに挑戦させているので、まったくのゲームブック素人じゃないんですがね。ふっふっふっ。 この作品にケチをつけるとすれば、コストパフォーマンスの悪さでしょうか。 ゲームとしてサイコロのようなランダム要素もなくしかも簡単なゲームブックとくれば、何度か遊べば必ずベストエンドまでたどり着けますし、3人の主人公全てで達成すればもう終わりです。 すごろく屋さんで他に取り扱っているカードゲームやボードゲームのようにずっと遊べるというものではありません。1日もあれば十分遊びつくしてしまうでしょう。 それでいて、値段が税抜き価格で2,400円というのは高い。他にもシリーズ本がありますが、自分でも買うのを躊躇するところです。綺麗で凝った造りの本なので、製作費という意味では打倒なお値段なんでしょうけどね。 そんなわけで、この本を生かす為には、保育園や子どもの集まりで、読み聞かせをするのに使うのが一番な気がします。 これなら聞き手のメンツが変わる度に楽しんでもらえますし、選択肢はみんなが多く賛成した方を選ぶという風に遊べば問題ありません。ゲームオーバーを繰り返す心配もないので、場がだれてしまうこともないでしょう。 昔、子ども達相手にゲームブックを読み聞かせの道具に何度か使っていた私にとっては、「あの時、この本があればなー」と思った本。 雰囲気はとても良い本なので、子ども相手のボランティア活動とかされている方は、購入を検討されてみてはいかがでしょうか。
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