夢見る汗牛充棟
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2006年12月20日(水) 映画 漂白

劇場版 ぶりーち 見たのこと

水曜日 レディースデー狙いで 鑑賞。
結末の好き嫌いは別として、なかなか楽しめました。
小さな恋のメロディーって感じで。ほんわか。
少年と少女。少年の淡い恋心っていいやねぇ。
とってもさわやかさんでした。

本題。剣八さん。剣八さん。
物語の本筋ではその他大勢なんだけど。でも画面一杯の
どアップで、カッコ良かったです。ぐは。はうはうはう。
素敵ですよ。剣八さん。ああ剣八さんたら剣八さん。
肩にやちるちゃん乗っけて。うわーい。

売り場に剣八さんのグッズがまるでなかったので
見ても出番ないかもと危ぶんでいただけに。わーい。

願わくばひつがや隊長の出番を60秒ほど削って
ずずいと剣八さんに加えてくれたらなー。……とか
愛ゆえの邪念と欲望は限りないですが、概ね満足です。


ついでに面白かった。白哉兄さん。
すぐに助けたいけど、可愛い妹の矜持のためにも
ぐっとこらえて物陰でそっと様子を伺っていたのですね。
いつ助けようと手に汗握っている白哉さんの姿を思うだに笑える。
愛いやつ。これ、私の歳だと一輝兄さん思い出すわけですが。
素敵なシスコンっぷりで、出番少ないけど兄さん萌え。

京楽さんと浮竹さんは分別があるかどうかは置いておいて、
思慮深い(……とも思えないんだけど)なんつーか、大人?
なのが裏目に出て出番僅少。
なんにせよ京楽さん、もっとしゃべって欲しかったなー。
良い声なのに。
 


2006年12月18日(月) ウォルター・スコット邸訪問記  アーヴィング

訳 齊藤昇  岩波文庫

購入。読了。

おもしろかったです。わくわくしました。
自分も一緒にお邪魔して、古き良きスコットランドを
散策しながら、伝説や民話や古謡を聞いているような気分。

語り手が題材に抱く素直な賞賛と敬意が、スコットの土地に
抱く愛情をこれでもかってくらい表現していて気持ちいい。
そんで、まるでたった今もいだばかりの果実みたいに新鮮だ。

自分を育んだ土地の歴史。丘に荒地に川に一本の道にも流れてきた
時間と物語があるわけで。それらで体中を満たすことができ、さらに
それらを表現する言葉を持てるなら、その土地を何よりも愛せるだろうな。
それって、とても羨ましいことだと思う。


さあ、兵士たちよ、 なぜ憂鬱になるのか?
さあ、兵士たちよ、 なぜなんだ。
我らの仕事は死ぬことなのに。
次の戦いで、 もし死ぬならば、
もはや苦しみからは解放される。
だが生きながらえたならば、
また酒とやさしい女性が、
みんなに活力を与えてくれる


真っ暗な陽気っていえばいいのか。いや、多分陽気な真っ暗?
なんとも言いようのない気分の歌で、強烈です。







2006年12月17日(日) 映画 エラゴン

友人に誘われたのでエラゴン見てきました。
ちなみに原作は知らない。

公開二日目にも関わらず、中ほどに座った私達の
前には空席が広がっていました。
あんまりロングランにはなりそうもないか。
がんばって宣伝していたわりには。

公開したばかりなので、一応埋めておく。


↓
↓
↓


物語として展開がお約束で、おおっ! と思う驚きどころ
はないけれど、悪に支配された国が待ちわびた一人の英雄
って物語、目新しくなりようもないのだし。ともかく。

ええと、冒頭のドラゴンの成長っぷりには驚いたけど。
なんつー非常識な。作りや構成が丁寧でないと思った。
……ええと、上映時間の問題なのか。時間足りなかった?

原作、知らないし。
残念ながら、映画を見て原作に興味を覚えることもなかった。

非力な子ドラゴンを主人公が守ってやるでもなく、
あっという間に大人になったドラゴンがご主人様守ろうと
懸命になる……という展開は、私は萌えない。
主従とか一対とかは、与えて与えられてという相互関係が
あってこそ萌えるんですが、個人的には。

ええと肉屋で肉を買おうとする狩人には驚いたかな。
今思えば、未熟なのにプライドは高いという性格の表現
だったのかもしれない。

世界の中心にいる自分を信じられる子供なら、主人公に
感情移入してはらはらどきどきできるのかな、という
ぬるーい気持ちで成り行きを見守っていた上映時間でした。
退屈ってことはないけれど、いい大人がみるには痛々しい。

世界がとことん主人公に優しく甘い。
ご都合主義が露骨すぎると見ていてなんだか白けます。
なんというか、書いてる人=主人公でさぞやうっとりして
この作品を生んだのではないかと思ってしまう。

最終的に主人公少年が目覚めて
「長い夢を見ていたみたいだ」
とか呟いても、私きっと驚かないな。

で、結局、主人公の成長って、どこでしたの? と
首傾げてしまうんだけど。
ドラゴンに選ばれた理由が最後まで見てる私にはいまひとつ
伝わらなかったなーと思う。役者さんもちょっと地味ですね。
あの地味さで、あの性格の主人公に好意を持つってちょっと
困難でした。

あとなんとなく独自の世界観というものが映像から
さっぱり感じ取れなかった。雄大そうな風景連ねてみました
って感じで、どういう世界なんだか結局わからなかった。

徹夜でドラゴン用のフルプレートこさえた人々に
敬意とともにがんばったで賞を送りたいです。
ぜったい燃えつきて白くなってるような気がします。


ドワーフとエルフがいるらしいので一応次も見てみたいかな。
とは思います。


2006年12月13日(水) アイスランド サガ スールの子ギースリの物語 大塚光子

三省堂


図書館で借り 読了。
欲しい本なれど、現在入手不能。


荒々しく、素朴な世界に暮す人々の愛憎渦巻く物語。
血で血を洗う殺伐とした話といえばその通り。死者多数だし。
でも人物が殺伐以外にも、素敵だったり、心根が輝いたり、
意地が強かったり、あっぱれだったり……。
彼らがうだうだ心象を語ること皆無のくせに魅力的なのはすごいと思う。

ただし、前も思ったけど名前がややこしい。
やめよーよ。子供におじいちゃんの名前つけるのーと泣きたくなる。
そんで似た名前が頻出でやはり大混乱なのだった。

夜に広間の真ん中の炉を囲んで皆で集まったりして、おもむろに
英雄譚を語り始めたんだろうか。それはすごく楽しそうだ。


所々で挟まる詩は難しくて微妙だった。

自分の感覚では理解できない部分があって読み始めは
サガというのはならず者を歌い上げたものなのか? と
思ってしまったりしていたのですが、そうではなくて
不幸にして社会の枠からはみ出しちゃった愛すべき
英雄なのねと読み終わったら思うことができました。

有能な男が。世が世なら英雄になれただろうにという感慨を
込めて語り継がれたんだろうか。実在の人物なのだし。
死を予感しながらも、土地を離れず逃げ隠れしながら13年、
追っ手をかいくぐり、討ち取り生き延びるって、厳しいよなーと。

ええと、兄弟の愛憎が、血が愛がなんつうか萌え燃え。
男と女の愛も良い。友情も熱い。憎しみも熱い。
たぎってるよ。すごいなー。

復讐にやけに熱くなるから復讐がすべて、存在意義なのかと
思えば、さくっと割り切って目を瞑っちゃったりもする。
場合場合でけっこういいかげんというか、個人的な気分で
決めてるのかしらと首を傾げたくなったりもしましたよ。


やっぱ寒いところで、雪に閉ざされて鬱屈してると血の気が
多くなるのだろうか。戴国の人もアイスランドの人も。


2006年12月10日(日) 北欧の神話 神々と巨人のたたかい 山室静

筑摩書房 世界の神話8

図書館で借り。読了。


低年齢向けに平易でありながら、神話の紹介にとどまらず
解釈というか、自説を述べるまでしている。
とっかかりに良い一冊かなと思う。とても読みやすい。

最初の一冊がつまらないというか難しくてマニアックすぎると
駄目だこりゃ、と思うので、次の一冊に進みたくなるという
点でいい感じ。面白かったです。

ロキ様は好きなんだけどー。悪者なんですね。しくしく。
オーディーン様もたいがい悪辣だろうと思うのですけどー。


◇

宇宙樹:ユグドラシル:宇宙を貫く大きなトネリコ

ユグドラシル<オーディーンの馬>の意。


� .▲好�ルド:神々の国:アサ神族(北欧の神々)の国
�◆.凜.淵悒ぅ燹Д凜.平逝欧旅顱淵縫茱襯鼻Ε侫譽ぁΕ侫譽ぅ�etc)
�� アルフヘイム:妖精の国
�ぁ.好凜.襯肇▲襯侫悒ぅ�:小人の国
�ァ.潺奪疋�ルド:人間の世界・トネリコの木(男)とニレの木(女)
�Α.茱張鵐悒ぅ燹У霓佑寮こΑΕ戰襯殴襯潺襪箸修虜福柄�の巨人)
�А.爛好撻襯悒ぅ燹Р个竜霓優好襯肇襪了拉曚垢訐こ�
�─.縫屮襯悒襦Д悒襪�支配する死者の国
�� ニブルヘイム:雪と氷に覆われた極北の世界




2006年12月09日(土) シャーロック・ホームズの生還 アーサー・コナン・ドイル

日暮雅通:訳

光文社文庫 新訳シャーロック・ホームズ全集

購入。

読了。

短編集。実は、生きていた〜。

もにょもにょする内容の話もあるけど面白くて楽しかった。

子供の頃に読んだ時は、ひたすらホームズさんすごいなーと
尊敬するばかりだったのですが、改めて再読すると
ホームズさんは、すげー可愛い人だなと思います。
時の経過と共に読み手が変質(腐敗)したせいで、【腐】の
かほりが魅惑的です。

ホームズさんにはワトソンさんが超必要なんだなーと。
孤独を友としていても、一度好ましい人物からの素直な賞賛の眼差し
や言葉をもらってしまったら、その心地よさの虜なんだなー。愛らしい。
ついでに何をどうしても絶対付いてきてくれる、勝手に出かける
間は黙って待っていてくれる。ワトソンさんてば、理想の女房役だなー。

なんだかとっても蜜月な巻でした。

この巻でお気に入りの登場人物は、【三人の学生】登場の
執事さん。執事ってこうじゃなくっちゃと思う。萌えー。

執事喫茶に行ってみたいなと思うけれど、たぶんぜったい
こういう執事はおるまいなー。




次巻は、来年一月刊行。四つの署名……だと思っていたけど
四つの書名なの? 出たらわかるか。








2006年12月05日(火) 修道士カドフェルの出現 エリス・ピーターズ

修道士カドフェルシリーズ 21 光文社文庫

好きなシリーズの最終巻。
購入。読了。

出てすぐ買ったのに、今まで読めなかった。
読んだら終わっちゃうから、惜しい気がして。

短編集。

やっぱりカドフェルシリーズは、眼差しが優しいと思う。
それで読むとけっこうほっとしたりする。
時代背景が殺伐としているのだけれども、必ずそこで暮している
人のしなやかさ、優しさ、温かさ、誇り高さを描いてくれるのが
いいなと思う。騎士には騎士の誇り、職人には職人の誇り。
そうして描かれる人々の姿がすごく好きだ。

今作は、短編集だし、まず頁を開いて思ったのは、
「字でかい〜、行すかすか〜」でした。
短編だからしょうがない。だもんですぐに終わっちゃう。
しくしく。

三作目の意地っ張り似たもの親子がものすごく好きだ。
なんか日本の時代劇とかにも出てきそうな親子。
どちらも不器用で、相手を認めていることを相手には死んでも
悟られるもんか! という信念に基づいていがみあう関係?(笑)

素直じゃなくてでも、でも根底に相手への信頼と愛情があるのは
安心できてとても良いです。

◇

さみしい。これでもうこのシリーズはお終い。
エリス・ピーターズさんは、自分の死後誰も書き継ぐなと遺言
されたそうで、気持ちはわかるような気がしますが、読者としては
すごく残念でなりません。誰か、或いはいろんな人が尊敬と愛情をこめて、
ホームズさんみたいに無数に描かれていいほど素敵な人なのになぁ。


2006年12月04日(月) 世界の合言葉は森 アーシュラ・K・ル・グィン

小尾芙佐/小池美佐子 訳
ハヤカワ文庫

資源ごみの日に捨ててあったのを有難くいただき〜。
表題作他一編。

読了。

◇世界の合言葉は森

タイトル見たときは、エコロジーというのか? 
自然を大切に系の話だと思っていたけれど、そうではなかった。

基本は種族間の闘争。

他の惑星を侵略し、そこの生態系に敬意を払わず、知的生物に対等な
知性を認めず搾取し虐げるだけの人間の恐ろしさ残酷さを 描くに
とどめているならもっと安心して読めたけれど。
思うにそれよりもっとずっと厳しい話だった。

どのような種族の有り様も変質してしまう。不幸な遭遇によって
逃れられなく、変わってしまう。さもきゃ滅べという二者択一を迫る。
滅びないことを選択すれば、嫌でも変る。元の姿には戻れない。
「神がやってくる」という表現はもの凄く絶妙だなと思った。


◇アオサギの眼

こちらも背景は、二者の闘争だった。
こちらは種族ではなく、同じ人間での階級闘争というのか。
シティが上位でシャンティタウンが下位。
で対等な関係を求めて生じる階級闘争。

そして、シティの中では男性上位で、女性は下位でお飾り。
シャンティタウンでは男女同権。

そんな世界で、シティの有力者の娘に生まれた少女の
選択を中心に進む物語。

……やっぱり厳しい話だなと思う。
前作よりは結末に爽やかさがほんのちょっぴり感じられる
かなーと。前向きな分。









恵 |MAIL