また「春の日」が訪れた。 奇しくも、いつしかからこの日は、悲喜相合わせもつ日となっていた。 行き止まりの扉の前?それとも、そう思い込んでるだけ? 扉の向こうに何が待っているかわからない。何もないかもしれない。 もう一度、扉のノブに手を伸ばして見よう。少しずつ、開けて見ようと思った。
日付が変わろうとするその前に、部屋にたどり着いた。 平日の、普通の日に、なんて久しぶりなんだろう…… 会社の近くの桜並木は満開だった。 風に舞う桜の花びら達を見上げながら、また、季節がめぐったことに、今更ながらに気付く…… あと何年、繰り返してゆくのだろう。 あと何度、繰り返してゆかねばならぬのだろう。 桜の花びらに想いをのせ、風と共に舞い散らせた……
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