白日の独白
索引|←|→
HaPpY bIrThDaY & hApPy HaLlOwEeN yOu MaKe Me FeEl So HaPpY !
ぼくのほうがおかしくなる
もう逃げ出したい。 何処にも行く場所なんてないのに。 そんなのあの日から想い知っているのに。 自分からは逃げられない。 影からは逃げられない。 わかっているのに・・・・。 それでも逃げ出したいよ。
彼女の怨みは僕自身に対するものを超えて、彼女の眼に映るもの全てに向けられているようだった。 彼女は執拗に、そして回りくどい遣り方で僕を責めた。 僕は彼女の怒りを(或いは悲しみを)何とかいさめたいと想っていた。 けれどそれは決して叶うものではなく、またそうするべきではないことを理解していた。 だから僕に出来ることと言えば、彼女から逃げることと彼女の感情をのみこみ続けること位だ。
僕は神社に立っていた。 池にはグロテスクな色をした蓮が風にゆろゆろと揺れていて、少し離れた所では満開の桜がその花弁を散らしている。
蓮と桜。 大好きな花。 桃源郷に咲く花。
彼女は黴臭くて狭くて薄暗い部屋で眠っていた。 僕は彼女が目覚めるのを怖れ、震える手を叱咤して素早く彼女の手足を紐で縛り、折り畳んで箱に詰める。 何故そんなことを急にしたのかはわからない。 けれど彼女の入った箱を見ると少しだけ安心出来た。 同時に彼女を仕舞い込んだ所で何の解決になるのだろうと小さく笑う。
此処は僕の桃源郷で、 此処では僕は苦しむことしかできない。
震える手で掛けた電話 謝罪の言葉 責任を放り出して落ちる眠り
ある種の僕は局限的に時限的に必要とされているかもしれない。 あくまでも限定的であってそれはいつでも代替可能な代物である。 だからこそその手を放さないようにずっとしがみ付いていたかった。
物事にはやっていい事と悪い事がある 幾ら『正当だった』と主張してみた所でそれは他罰的な自己防衛。 言い訳は簡単だ。自分を甘やかし慰める方が楽だ。 そして後悔するのもまた安易な方法。 当然の結末を知る為の授業料としては聊か高過ぎやしなかっただろうか。
頭が痛くて痛くて死にたいと想う ニッパーでパチリパチリと千切られてく ぐちゃぐちゃと掻き混ぜて指の間からはみ落ちてく そういう痛みは昔から時々ある はじまると何日も続くのに気付くとなくなってる でも本当に? 本当に頭が痛いのだろうか 『痛い』なんて誰にもわからないじゃないか 痛くて死にたいんじゃなくて 死にたいから痛がってるだけじゃないの
|