春の果て仕事の山に挑むため腕まくりする季節となりぬ
若葉など目に入らずに終日パソコンを打つ今日みどりの日
琴線を震わせながら歌声が流れる幸を噛みしめており
振り上げるこぶしを下ろす先もなくメーデー過ぎて休みとなりぬ
闇の中浮かぶ躑躅の白さにも初夏の訪れ感じておりぬ
若葉雨見上げる空に降り注ぎ微妙な色の緑に気づく
2002年04月23日(火) |
サン・ジョルディの日 |
花よりもきれいな言葉束ねたく世界本の日詩集を選ぶ
春の雲形定まることもなく流れて行くを眺めておりぬ
ほの暗き水面に映る山吹に揺らめく気持ち託してみたく
藤浪の微かに揺れて篳篥の音が舞い上がる様を映せり
忘れてた郷愁などという言葉思い出させて古筝は響く
胡蝶蘭頭を垂れて花開く午後の光を集めるごとく
春落葉世代交代続きたる樹々の青さは変わらぬままに
沈丁花姿を消した今もなお記憶の中に香り残して
春暑し真夏日来ればこれからの事務所の寒さ少し気になる
艶やかに紅深く咲く桜連なる路地を通り抜け行く
睡蓮の前で語らうひとときの得がたきことを知れば切なく
桜花雨に濡れつつ華やぎを幽かに残すことを知りたり
山肌をほんのり染めて桜咲く季節が来れば旅思い立つ
花の雲流れるごとく咲く花の中に立ちたい来年こそは
花びらの色濃きさまをいとおしみ高遠の空はるかに想う
さよならはふたたび逢える約束の想いを包み告げる挨拶
けだるさに身をゆだねつつ何もない一日過ごす幸を知りたり
打ち上げに集まる皆の声弾み受注に向けた動き始まる
春嵐わが身にかかる試練告げ通り過ぎてく心地続きぬ
暑がりが慌ててかける冷房が骨身に沁みる一日となり
あれこれと悩みながらも資料室形になるをいとおしみたり
一日は瞬く間なることを知る年度始めの忙しさかな
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