礎を作る厳しさ知る人の言葉を胸に別れを告げる
離任前改善急ぐこの気持ちわからぬ人を切って捨て去る
とりあえず今日は泣く日と決めている異動間際の最後の休み
とりとめのない発言を聞きながら残りの仕事少し気になる
涙目で済ませられると思うなと背中で怒ることの虚しさ
割り切れぬ思いを抱く異動前心の闇は深くなり行く
さまざまな思い錯綜する午後の会議はいつになく熱くなる
新しいチームを作るそのために自分に何ができるのだろう
野分吹く心の闇をみるような心地が続く真夜中の窓
一年は瞬く間だと思いつつ手帳を選ぶ土砂降りの中
発熱の中向かい合うこと多くどこかで醒めた心地続いて
ため息とともに流れる一日の速さを止める術を教えて
スタッフと一期一会の仕事して夜の更けていく速さを想う
繰り返す歴史のようなこの時期の人事部長の泣き落としかな
水彩を溶き筆をとる休日の時の流れを酷暑が包む
かもめーるようやく出番来たような残暑が続く連休初日
流れ行く雲にもなれず湧き上がる入道雲に重なる想い
二年は瞬く間だと思いつつ月に願うは恒久平和
風渡る道に転がる木の実たち秋の訪れささやくように
重陽の夜穏やかに過ぎてゆく月に寄り添う火星を仰ぐ
ななかまど色づく滝を思いつつ仕事に励む今宵は白露
カンナ咲く道を歩んだあの頃の記憶は今も鮮やかな色
やわらかいあかねの空に包まれて休日過ごす喜びを知る
冴えた月照らす心は穏やかでないことを知る帰り道かな
秋の風心の中に入り込み穏やかならぬ心地続きぬ
振替の電車で急ぐ帰り道風景少し変わること知る
単純でわかりやすいと思うけど真昼すぎるよ君の性格
ひとりでも歩ける強さ身につけてあなたとともに生きたい気持ち
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