月。
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2000年01月22日(土) 嫌悪感。<過去の記憶��>

「朝7時にはこちらに来ていてください。」

「前あきの寝巻きを用意して来てください。」

「化粧はしないで来てください。」

「お昼には帰れますから。」

「………………。」


笑顔の優しい老医師は一通りの説明を
きちんとしてくれていたはずだけれど
私は殆ど覚えていない

注射を二本され
膣を広げるために
何本かのタンポンのようなものを入れる

ナプキンを下着に着け
フラフラした足取りで手術台に上がる
麻酔がかかる


気付いた時には
病院の奥のベッドに寝かされていた

「気持ち悪くなったらこれを使ってくださいね」

ベッドの脇に置かれた洗面器
カーテンが閉め切りにされた真っ暗な部屋
部屋は適度に暖かかった

罪悪感は感じていなかったけれど
自分自身に嫌悪感はあった

誰に聞かせるでもなく「…ごめんなさい」と呟いた記憶が残っている

その時の私には
感情がなかったのかもしれない

とにかく私は眠りたかった


2000年01月11日(火) ぐるぐる。<過去の記憶��>

会社に行きたくなくて休む

病院に行ったのは何時だっただろう?
もう覚えていない

笑顔の優しい老医師に
2ヶ月前から生理が止まっていること
検査薬の結果と現在の体調を話し
診察をしてもらう

「おめでとうございます」

とは言われなかった

私が既婚者ではないこと
私の表情が強張っていたこと

そこから老医師は
私がそれを望んでいない
と悟ったからだろう

その後聞いた説明も
殆ど右から左へ流れていたと思う

私の頭の中では

ワタシハヒトヲコロスノダ

それだけがぐるぐると廻っていた


2000年01月08日(土) ごめん今回は諦めてくれないか。<過去の記憶��>

11月を最後に
生理が止まっていた

もともと不順だった私は
その当時、精神的につらい職場に居たせいもあって
単純に遅れているのだろうと思っていた

否、思うようにしていた

ところが

或る日、ご飯を炊いたとき
炊飯器から出るにおいに反応した

吐き気がした


それが発端


ちょうど正月休みだった
彼に知らせなくては・・・そう思ったのは数日前

そして今日
彼は家にやってきた
ハッキリさせるために

薬局で購入してきた
妊娠検査薬の封を開けて
トイレにこもる


3分も待つ必要はなかった
すぐに陽性の赤いラインがくっきりと浮かぶ
・・・彼にテスターを渡した

赤いラインは一段と濃さを増す

彼は私をゆっくりと抱き寄せ
しばらくそのまま抱き締めていた
私が激しく動揺していると
見て取ったからだろう

彼の顔に動揺の色は見えなかった

「どうしよう・・・」

そう呟いた私に、彼は


杏 |MAIL

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