ぼくたちは世界から忘れ去られているんだ |
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2004年02月29日(日) | 沼の底で君を待つ |
あたしたちは沼の底の薄暗い学校に通っている。あたしたちの共通点は多分それぐらいなんだと思う。でもあたしたちは身を寄せ合って、寒さに耐える。まるでそんな動物のように。 明日は病院に行く日で、あたしはそれをとても楽しみにしている。先生に会えるから。あたしは強いけれど、すこしだけ傷があって、それで先生と薬に、絆創膏の役割をしてもらっている。 あたしの首を誰かが絞めたら、どうなるだろうか。 きっとあたしは抵抗する。でも、それは死にたくないからじゃなくて、苦しいのが嫌だから。 まったくなんにもちくりとも痛くない方法があるんだったら、死んだっていいかもな、なんてたまに思う。 それはとても愚かな考えで、あたしは自分を叱るのだけれど、その考えは妙に甘ったるくあたしにまとわりついて、媚薬のようにあたしをとろけさせる。 昨日来たメールがうれしくて、あたしはようやく自分が生きていることを思い出す。そうか、死んでなかったんだ、あたし、ってね。 こうやって私信のように書くのはあまり好きではないのだけれど、ありがとう。君があたしを初めてちゃん付けで呼んでくれて、あたしはとても、心から、すっごく、ベリイマッチ、うれしかった。 明日が来るのをじっと待っているだけのこの生活が、いいのかどうかあたしにはよくわからない。でも、いいような気もする。 |
2004年02月28日(土) | 光の中で暗闇をみつめる。 |
舞台の上から眺める笑い顔は、思いのほか心地よくて、あたしはすこしうっとりとなった。 たぶん君のおかげだと思う。ありがとう。 今日は短いけど、これだけ。 だって、言葉以上に素敵なものをみつけたから。 |
2004年02月27日(金) | 自己完結のうたをうたいます。 |
あたしはかっこいい科白とか云えないし、云えたとしても照れて云えないと思うけど、今日切実に、なんか、うまいことを云いたい、と思ったよ。 君が笑って、あたしも笑って。そこでなにか素敵な科白を吐きたかった。 でも、良いんだよね、何も云えなくて。 だって君がそこにいて、あたしがココにいるんだから。 |
2004年02月26日(木) | さっきの色を憶えている? |
誰のせいでもないんだと思う。 ただ、あたしがちょっと失敗しちゃっただけ。よくあるよね、こういうこと。 ねえ、お願いだよ。くじけたわけじゃないから、少しだけ、こうしていさせて。 |
2004年02月25日(水) | テスト期間中ラプソディ |
今日もテストだった。あたしは時々テスト中泣きたくなる。泣いて、全部を放棄して、駄々っ子のようになって、先生を困らせて、クラスの連中をあきれ果てさせたい、と、思う。 そんなのきっと誰にでもあることなのに、まだあたしは自分が特別だと思っている。あたしは特別でもなんでもない、ただのバカだよ、と、自分にいい聞かせてみても、まるで返事は返ってこない。心の内側から。 あたしは文章をつづる。それによってあたしはあたしが生きてることを再確認する。消えてしまうのが怖いわけじゃない。忘れ去られるのが怖いんだ。昔読んだマンガで、人間には二つの死がある、なんて書いてあったけど、あたしはひとつも死なない。だって、生きてたって死んでたって同じようなものじゃない。よくわかんないけどさぁ。 帰りの電車がすいていて、あたしはヘッドフォンをして、音楽を聴きながら椅子の端っこに、座っていた。「アーユーラ?」を聴きながらお腹すいたなぁ、なんてかんがえていた。ぼ、と、イチカのことが浮かぶ。あたしはどうしてイチカになれなかったのだろう。よくわからない。でも、なれなかった。悔しいことに。家に帰ってジャンクフードを食べる。好きだなぁ、体に悪そうで。体に悪いことは楽しい、って云うけど、自分の心に悪いことって楽しいのかなぁ。たとえば、自分の悪口をじっと聴いているとか。 あたしは今までに何人も人に嫌われたけど、別に、というか、そんなに、というか、相手を恨まなかったよ。 たまにさぁ、いるんだよねぇ、好かれたいのに嫌われちゃう人って。 あたしはその人が大好きで、心の底から大好きで、でも、相手はあたしなんか嫌いで。あたしが好きになるほど、風船みたく、嫌いが膨らんでゆく。あたしは尖った針を持って、それを、突き刺す。 ぱぁぁぁん。 割れてしまえばいい、と思った。でも割れたら、嫌いがあふれ出して、あたしまで相手を嫌いになってしまった。針なんて物騒なもの、振り回さない方がいいってことね。 明日でテストは終わり。多分あたしはテストが返ってきたら、もっと勉強すればよかった、と思うんだろう。それは地上にいたころから変わってない。別に沼の底の空気のせいじゃない。ただ、あたしが悪いだけ。 明日なんて来ませんように、そう祈りながら日々暮らしているわけなんだけど。 君はここを見てるかな?みてたらなんか云って。ねぇ云って。 |
2004年02月24日(火) | 飛びたいあたしと沼の底から見守るあなた。 |
高校の窓からは沼のどんづまりが見える。あたしはそこを見るのが好きだ。じっと見つめるわけじゃない。ただぼーっと眺めていると、時間がすぎてゆく。 あたしの嫌いな教師が、がんばれ、と云う。いったい何をがんばれというのか。でもあたしにはわからない。なんであたしがあの人を嫌いなのかが。笑っていれば許されるだろうか。 ダイブする窓ガラスから。 あたしはきっと死にたいわけじゃない。ただ、何か、カタルシス、かなあ、なんかを求めているんだ。 |
2004年02月23日(月) | まだあたしは沼の底に。 |
多分これは誰にでもあることで、ちょっとした出来事なんだろう。 そうすべてのことを信じていれば、まだあたしは大丈夫。 よくわからないけれど、あたしはやる気を全部失ってしまったわけじゃない。多分ね。「多分」でみんな済ませてしまえば、ずいぶん楽になれる、って誰が教えてくれたんだろう。いつの間にか知っていた。呪文のように唱えていた、多分、多分、多分。 今日も学校に行ってきた。授業を今年受けるのは、今日で最後。沼の底なんかに住んでること自体苦しいのに、学校なんてもう行きたくないよ、なんてぬかしてみても、目の前にはテストが横たわっている。甘えてんじゃねぇよ、と、云われている気がする。誰に?多分自分に。 ほら、また、「多分」だ。 この間抜け。死んでしまえ。 |
2004年02月22日(日) | 妖精を踏み殺す。 |
正体不明の怪物が、森からやってきた、とテレビが云う。 あたしは別に怖くなんてない。いや、怖いな。うん、怖い。すぐこうやって意見を変えるのが、いいところなのかわるいところなのかあたしにはわからない。 あたし、あたし、とあたしのことばかり話している。それでいいんだ、日記だから。 今日はよく寝た。 起きようとすると腹の上で、妖精たちが踊っていた。あたしは、邪魔だよ、と云ったのだが、依然、踊り狂っている。あたしは腹がたって、強引に立ち上がり、妖精たちを滅茶苦茶に踏み潰してしまった。 「やめてください」 妖精語で話しかける妖精たち。妖精語なんていうやつは英語よりもずっとわからないから、聞き取れるのはヘルプミー(アスなのか?)だけ。 そんなのってくだらないじゃない、そう思いながら、踏み潰す。 妖精だから血は出ない。ただぐじゃぐじゃになるだけ。 あたしは少し気分が悪くなって、吐いた。 排他。 あたしはすべてを憎む。人を憎み、空を憎み、必死で生きる動物たちを憎み、大地を憎む。 部活の練習の帰り、帰り道、妖精たちの声が聞こえた。 なんていってるのかはよくわからない。殺す、とかそんな物騒な言葉が飛び交っている。そういう話を部活で一緒のコノハに云ったら、少し黙られてしまった。 しばらくして、コノハは畳み掛けるように云う。 「妖精?なにそれ?頭おかしいんじゃないの?いないよそんなの」 沼の底独特の重苦しいような湿ったような空気が二人を包む。 「やだなぁ、冗談だよ。笑うところだったのに」 あたしは精一杯の笑顔で答える。 「なんだ、冗談か。全然面白くないよ、それ」 あたしは気が狂っているのだろうか。それはそれで楽しいかもしれない。 あさってからテスト。 |
2004年02月21日(土) | 夜。君の目が光るよ。 |
沼の底にももうすぐ春が来る。 あたしにも春は来てくれるのかな。 メグルからはメールが来ない。地上でどうしているのだろうか。笑っているだろうか。哭いているだろうか。気になって仕方ない。 この夜にありがとう。 |
2004年02月20日(金) | 沼の底のルミネで。 |
痛い。 お腹を踏まれて、頬っぺたをひっぱたかれ、頭をこぶしで殴られた。 痛い。 痛いのは、体じゃなくて心だよ、なんて台詞も浮かぶ。 「早く死ねよ。ほんとお前早く死ねよ」 そんなこと云われても、すぐには死ねません。 第一自殺する勇気なんてないし。 そう考えると、Sは勇気があったなぁ。 今どこにいるんだろ。 拍手を送るよ。 今日、会いたい人に会った。 あたしに会うためにわざわざ沼の底の駅ビルまで来てくれた。 その人は大変かわいらしく、微笑むと、あたしはすこしほっとした。 小さいころ夜目が覚めて、母親の布団に入ったときにさえ似た気分になった。 あたしは多分その人が好きなんだと思う。 その人があたしを好きかどうかわからないけれど。 今まで、いろんな人を傷つけてきました。 多分、今日も傷つけたんだと思う。 あの子のハートに残る小さな小さな引っ掻き傷。 つけてしまったあたしの罪はいったいどれぐらいなの。 教えて欲しいような欲しくないような。 あたしはこうやって沼の底から言葉を発信しているわけだけど、きっと誰も読んでいないと思う。 それでいい、それでいいんだ。 カウンタをまわすだけの訪問者の皆様、 ありがとう。 |
2004年02月19日(木) | 昨日みた夢を憶えているかい? |
今日もあたしは学校に行ってきました。沼の底にある女子高はほんと退屈です。メグルもいないし。 でもまあほかにすることないんで通ってる、って感じ。 しょうがない、のかなあ、って最近思う。ただ笑いながら暮らす、なんていうのは、夢でしかない、ってことぐらい、とうに知っている、でも、ねえ。 |
2004年02月18日(水) | 沼の底日記 |
沼の中で考える。どうしてあたしはここにいる。 沼に入ったのはだいたい三年ぐらい前。 それからずっと沼の中で、イチカのことばかり考えている。 イチカというのは、あたしがなりそこなったあたし。 三年前に、決別してやろう、って思って沼に入って、でも、結局まだイチカのことばかり考えている。 あたしは、イチカになりたかった。でも、それは無理だった。 星がちかちか瞬いていても、背伸びしたって届かないように、あたしはイチカにはなれなかった。 三年前、あたしは中学生だった。 今、沼の底にある女子高に通っている。 沼の底の女子高は、ちっとも楽しくない。でも、いつか沼の外にでるときのために、通っている。 「わたし、明日、この沼からでるわ」 メグルが云う。 「ほんと?」 「ええ、ほんと。緊張してる。だって沼からでるの、五年ぶりよ?」 「おめでとう」 しばらくして、メグルの新しいメールアドレスから携帯に、メールが来た。 「やっほー。元気してる? わたしはすこぶる元気。 大学に通うために、地上の予備校で、勉強をはじめました。 大変に楽しいです。 思えば、沼の底では苦しいことばかりだった。 でも、それがわたしを強くした。 ありがとう、ありがとう、ありがとう。 また出会える日を夢見て」 能天気なメール。あたしは一分ぐらい、メグルのことがきらいになった。 まあいいや。 明日も学校に行かなくちゃ。 |
2004年02月17日(火) | 彼女はのど飴をくれたけれど。 |
視線と笑い声におびえている 敵はいつ来るかわからない 紺色の靴下ずりさがる 醜い足があらわになる 昨日夜来たメールは あたしを落ち着かせたけれど 君は知っているのかな ただここで待っていて欲しい あたしがもう少し、強くなるのを。 |
2004年02月16日(月) | 橋は落ちない、でもどうしよう |
早寝のわたしが眠れない。今日あったいやなことを思い出しては、爪をいじっている。 暗い部屋で目を開いていればいやでもさびしさは襲ってくる。 こうやって携帯から日記を更新してみても、眠る気にはなれない。 でも明日も学校があるから、寝なきゃ、いけない。だって、朝、起きられなくなっちゃうからね。 さあ、どうしよう。 |
2004年02月15日(日) | たった一度のラブソング |
黒板に描かれた夢は 青臭くて見ているこっちがつらい テストに描かれたでたらめの名前 こっちを見ているペンギン 正しい発音で愛の告白を けしてくちることの無いように もう一度 もう一度 ねぇ、お願い もう一度。 |
2004年02月14日(土) | 地下鉄ハッシャバイ |
わたしは強い そう自分に言い聞かせて 白っぽい砂利だらけの細い道を スキップする 動物園から逃げ出した猛獣が 仲間になろうと呼びかける 複テくなんか無いわ でも仲間にはなれない だってわたしは独りで生きていかなければならないから ごめんね でもあなたも独りでしかないのよ 月がのぼるころ わたしは蝶々になる そして 二度と 帰らない |
2004年02月13日(金) | 領収書の宛名は君 |
くちびるからとめどなく言葉を排泄するのは けしてさびしいからじゃない ただ自然に溢れ出て来て止まらないんだ でも君には分かってもらえないみたい 君は世界すべてに呆れたような目で あたしのくちびるを見つめる その目があたしを困らせるなんて 君は知らないんだろう 知らなくたっていいさ だって…だって…だって何? 理由なんかないじゃない 理由なんていらない |
2004年02月11日(水) | さよならのうたをうたうのはわたしだけ |
わたしがぼーっとしている間に あの人は去ってしまった わたしはあの人をいつも見ていた ありがとうと云えばよかった わたしはいつもタイミングが悪くて あの人はわたしをどう思っていたのかな ありがとう。 まだわたしはココにいるから いつでも遊びに来てね。 |
2004年02月10日(火) | 新宿トラップ |
髪がのびたから 君の背が小さくみえる 爪をきったから 君の目が大きくみえる あたしがいなくなったら どうぞ探してください |
2004年02月09日(月) | あたしと白。そして黒。 |
ホワイトホットチョコレート 甘いあたたかいここちよい あなたのことを思い出す 揺れる吐息にくちづけすれば いとしい子犬が駆け回る あなたはまだ来ない。 |
2004年02月06日(金) | 体育見学 |
日陰で、君たちが楽しそうに笑っているのを見ていた。 わたしの嫌いな人が、もう大丈夫だろ、と云う。わたしは悲しそうな顔を作って、まだです、と云う。 |
2004年02月05日(木) | 明日と昨日の足跡に向かって。 |
大空から拍手がふり注ぐ。 おめでとう、おめでとう、と高らかな声がする。 上を見上げても、わたしを喰らう鴉もいない。 ただ、拍手と祝福の声が。 複テくなって、後ろに走り去る。 今日は朝から疲れた。 |
2004年02月03日(火) | あたしちっとも面白くないわ |
君がすべてを投げ出してしまったように笑って見せる でもあたしちっとも面白くないわ 君が薄いくちびるの端っこから涎と一緒に恋唄をたれながす あたしはそれをティッシュで拭うとくしゃくしゃに丸めて捨ててしまう さよなら。 |
2004年02月02日(月) | あたしとあなたの間にヨコタワル沈黙 |
彫刻刀でほりすすむ 憎しみのきれいな絵 あなたをモチーフに 滴る血で下書きしました 出来上がったらあなたにささぐ予定 変わらぬ愛を添えて |
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