生存報告―目指せたくまし道。
〜こっそりひっそり編〜


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2002年08月07日(水) 川の流れのように2

社会の中で生きるのがすごく辛いと感じていた時期、よく私の頭に浮かぶ絵があった。うねうねと曲がったどす黒い大きな流れの中を、たっくさんの人たちが溺れそうになりながら泳いでるの。陸地はなくて、何もない空間の中に流れだけが存在している。休みたくても、ほんの小さな岩もない。流れはかなり速くて周りの人の頭を踏み台にして息を吸おうとする人もいるし、手をつなぎ合っている人たちもいる。

もしも絵が上手かったら描いてみたいと思うけれど、到底ムリ。どこかの国の美術館である宗教画を見たとき、それに少しだけ似ていると感じたのを覚えているけれど。流れに負けて沈んでしまう人もいる。でも他人のことなんて気にしていられないほどそれぞれが必死で、呼吸をするだけでせいいっぱい。

当時の自分の状態は、そんな状況の中でも背負ってくれる人がいて。負ってもらいながら必死に沈まないようにもがいてる。そしてその人と別れた後、その流れの絵は私の頭から消えた。その頃はまさに"沈没船のモンキーガール"←byドリカム『Delicious』。流れなんて感じなかった。聴くだけで涙が出るほど聴いていたのは『真夏の果実』。

このとき初めて、母がクリスマスをひどく嫌う気持ちがわかった。伯父が亡くなったのはクリスマス・イブで、祖父母にも愛され母も慕っていた伯父が亡くなったとき相当悲しかったという話を聞いても、近しい人がなくなった経験のない私にはピンと来なかった。

状況は全然違うけれど愛している人がいなくなったのは同じで、この曲を聴くだけで涙が込み上げ、本当に1日以上涙が出続けた。涙がかれるほど泣いた経験。このことがあって、クリスマスという特殊な時期にそういうことを経験した母がクリスマスという行事やクリスマス・ソングを嫌う理由を、身をもって理解した気がした。



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