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2002年07月08日(月)
「極光」


「いきなり私の目の前に座ったあなた
 自分はせっかちだからと言い訳しながら
 前から君が好きでしたと突然告白したあと
 私のコーヒーを一気に呑み干した
 
 そのあとの強引さときたら人の返事も
 きかずにすっかり一人で盛りあがり
 山岳部に来なさい山はいいから本当にいいからと
 知らないうちに丸め込まれてた
  
  自然はとても大きいって それが得意のフレーズ
  人間が狭い輪っかの中で傷つけあうのを静かに観てる

 大空広い大空 いつかカメラマンになって
 こいつに近づくと 目を輝かせてた
 あなたを愛して気付いた どんどん先に歩いて
 行ってしまうあなたを 追いかけるのは大変だわ


 おい結婚するぞそしてアメリカにゆくぞと
 いっぺんにふたつびっくりをつきつけて
 それから俺仕事やめたぞカメラマンになるんだと
 腰が抜けなかったのが奇跡だわ

 そのあとのあなたは夢のとおりに歩いて
 とうとう本物のカメラマンになった
 グランドキャニオンも死の谷もみんな友達にして
 知らないうちに丸め込んでいた

  自然はやはり素敵だ だけど不安がひとつ
  もっと大きなものが撮りたくなって
  俺はどこまでいけばいいのか

 オーロラそれはオーロラ 地球も夢をみるんだ
 こいつがそうだと 目を輝かせてた
 あなたを愛して気づいた どんどん先に歩いて
 行ってしまうあなたを 追いかけるのは大変だわ 」





         さだまさし「極光(オーロラ)」
              アルバム「夢の轍」から







姉が結婚した。
姉は「うたた寝の食卓」のような姉ではない。
あの作品はわたくしの子ども時代のことをモデルにしてるとはいえ
「姉」の部分はフィクションだ。

姉の結婚というものは弟にとっては謎であり
不可解であり、とても疑わしい。「ぼのぼの」にもそう書いてある。
姉は姉であって女のひとではないからだろうか。
姉は姉であって恋をするなんて変だからだろうか。

とはいえ、運動会に行くのに弁当を忘れるような姉である。
選挙に行くのに投票葉書を忘れて行くような姉である。
弟の部屋で男と電話で別れ話をしたあげく
「あたし刺されるかも」と呟く姉である。
朝帰りをして2階のわたしの部屋のベランダまでよじ登って
朝5時に窓をノックするような姉である。
ガードレールをぶち破る事故を起こして、クルマを全損させ
「ごめんなさ〜い」とにこやかな笑顔で警官を丸め込み
おでこにばんそうこうを貼って
「全治3日〜♪」と帰ってくるような姉である。
東大にストレートで進み、いまはMBAを目指しているような姉である。

せめてお義兄さん(と、ホントは呼びたくない。さとちゃんと呼びたい)
をあんまりいじめないでほしいものだ。

姉には、護法童子様が守護しておられる。
誰も勝てるわけがないのだ。。。。