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2002年08月18日(日)
うたた寝の食卓(1)


小学1年生のときに
ヒロキくんという友達がいた。

当時引越しをしたため
保育園の友達ではなく
ヒロキくんの幼馴染のグループに混じって遊ぶようになった。

少年時代の子どもらしい遊びというものは
ほとんど彼らとしたと思う。
かくれんぼに「鬼」のつくおいかけっこ。どろけい(けいどろ?)。
ピストルで打ち合い、水風船をぶつける。
土と水でどろを作り、爆竹をつっこむ。
柿の木にのぼって、実を落としかぶりついては慌てて舌を洗う。
ビックリマンシールを集め、メンコを叩きつけて、ザリガニを釣る。
いまは思い出せないけれど
もっと遊びを考え、やっていただろう。
そういえばリレーもやってた。
300円の昆虫採集セットで防腐剤をアブに打ちすぎて
破裂させたりもした。

そのグループのリーダーを(おなじクラスの女の子のおにーさんでもあった)
僕は尊敬していた。
彼らはどの子どもも持ってないような
「すごい秘密基地」をもっていたからだ。

僕は仲間になってすぐ
こっちだよ、と案内された場所
公園の裏の高い壁を乗り越えたむこうは広い空き地で
そこは大学の裏の敷地でそこがまるまる彼らの秘密基地になっていた。

そこには木に吊るしたブランコがあって
木の茂ったところに屋根があり、ござが敷いてあって
その隣りにはテントが張ってあった。
小学生にとても持て余される広さと設備。
まさに「秘密基地」だと感動してると
リーダーは「ちゃんと大学のひとがいいって言ったんだぜ」と言った。

公園で遊ぶ傍ら、僕たちは
その基地で武道訓練を積んだりもした。
同じクラスのちょっといじめっこな男の子と
四つ年上のその子のおにーさんのグループが
その基地を奪いに抗争をしかけてくるらしかったから。

太い枝を折って皮をむき削って剣をつくる。
膝当てをして銀だま鉄砲で射撃訓練。

結局そんな抗争なんて起きなかったけど。