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2008年09月01日(月) ■ |
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よこはまごっちゃ(3) |
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横浜に住んではみても 僕の部屋にはまだ 横浜は入ってきていないようだった
それで窓を開けっぱなしにして 風景の方からまるごと 部屋に入って来れるようにしたり 歩き回って目にする物にはひとつずつ 横浜の、という名前をつけようとしてたのだ 横浜という場所だけは知ってはいても 窓の向こう側にだけある気がしていて 触らせてもらえないみたいでくやしかった
横浜、横浜、横浜、横浜、横浜、いっそさあ 横浜とたくさん書くことで 僕のなかの横浜を 小さくしてしまいたいとも思った
海と風車のほうに 顔とラッパだけを向けて 四角いのっぽなタワーに寄りかかっている 渋谷で酔っ払ってた次の朝には そんな背中だけをちらっと 見たような気もしたけれど
ほんとはずっと前に 横浜の方から僕を確かめに 来てくれてた、なんていうことも あったのかもしれないな
大きな桟橋まで散歩してる道端で ふいに会釈をくれたおじさんが 横浜だったって事に そのときは、まだ 気付かなかっただけだったのさ
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