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2008年11月10日(月) ■ |
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診察室 |
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お医者さまの説明を聞いたあとは なにを喋ったんだったかな はあ、とかだけだったかもしれない 目の前が真っ暗になどなるわけがない 靄がかかって少し白っぽかった 点滴をぽつりぽつりと眺めていた みんないまなにをおもっているだろうか 晩御飯のこと、仕事のこと、好きなひと達、不安な、何か 鳥が窓の端から端まで ビルと看板を横切っていくのが見えた、飛んでいた 今迄のこと、母さん、不安な、何か
診察室に一度戻り今度は短く話をして では、と扉をひらいた 入院はしないことに決めた ありがとうございました、なんていうものかよ どうせ三日後にはまた来るんだから それよりその日までとりあえずそれまで なにを考えながら過ごせばいいんだろか
二時間しか経っていないのに外にでれば もう日が暮れていて、でも街は かえってぎらぎらと生なましくって かえって頼りなくなってしまうほど沢山のひとが いたんだな、色と音と、ありました げんきんだ、僕はぜんぶ、ぜんぶ懐かしくなって そうなってはじめて僕の手には やっと震えがきてくれたみたい でもズボンに隠さない、大きく振って 歩く、歩く そのとき懐かしくてとにかく仕方なかった 振るたびに指にあたって 砕ける空気
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