妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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2002年08月04日(日) |
『トリニティ・ブラッド Reborn on the Mars 嘆きの星』(小) |
【吉田直 角川スニーカー文庫】
いやぁ。久しぶりに失敗したかなぁ。 粗筋で吸血鬼と人類との闘争とか書いてあるのを見てから、あまり期待してなかったんだけど、それでも平積みでプッシュされているようだから、ものは試しと読んでみたはいいけれど。
もう少し、ひねってくれ・・・。 「存亡を懸けて闘う二つの種族を、壮大なスケールで描くノイエ・バロックオペラの決定版!」 これ、裏の粗筋一部。 のいえばろっくおぺらってなんでしょうか。 まあ、なんでもいいんですが、面白ければ。 これしきで壮大と言われては困りますね。
この世には吸血鬼ものの、ありとあらゆる創作物が溢れているんですから。 「ヘルシング」の世界に「トライガン」のヴァッシュを放り込んだような話。 これ読むなら、「ヘルシング」か「吸血鬼ハンターD」を読む方がよい。 吸血鬼ネタに惹かれるのは凄くわかるのですが、吸血鬼ネタの世界はもう開拓し尽くされて、相当実力が無ければ今更、といわれるのがオチです。
せめて、キャラクターが魅力的であることを期待したのですが、どうにもインパクトが薄い上に、みんなちょっと頭悪そう。 知的ポジションにあるであろう、ディートリッヒもなんか頭悪そう。せっかく美形なのに。 主役のアベルはヴァッシュだし。中途ハンパに強いところ見せてみたり。もっと早くにどうにかしろよ。 唯一トレスくんが、ちょっと好きになれそうでしょうか。
思うに、物語を彩る中心となる謎が、あまり魅力的じゃないのがいけないんでしょうね。 吸血鬼がどこからきて、アベルは何者なのかという謎。 どうでもいい。 あんまり興味湧かない。
しかし、これ続いているんですよね。 どうしたものか。 いやいや、まだ一巻だしひょっとしたらこれから先、何か美味しい出来事が待っているかもしれない(何を期待する…)。
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