妄言読書日記
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2002年08月15日(木) 『es』(映)

【監督:オリバー・ヒルツェヴィゲル 2001・ドイツ】


あいも変わらず、殺伐とした感動とは無縁の映画が好きです。
単館上映にも関わらず、口コミで人気を呼んだらしいこの映画。
行列が出来、毎日立ち見客が…等々宣伝に書かれていましたけれど、そりゃあ劇場が小さいからだよ。

例に漏れず、通路のパイプ椅子に座って観て参りました。
ああ・・・。腰痛い。尻痛い。

あまりに有名な、「囚人と看守実験」。
それを元にした映画ですが、どこまで本当なのでしょうか。
本当の「監獄実験」で、死人は出たという話は聞かなかったと、思いますが…。

まあ、事実はともかくとして。
怖かったですよ。
話だけだと、本当にそこまで囚人と看守になりきってしまうもんかな、と思ってましたけれど、この映画で、状況によってはそういうことも起こるなと思います。
多分、真面目な人ほどどこまでやっていいのか分らなくなってしまうんでしょうね。

しかし、ツッコミどころが多いのもまた事実。
しっかり見張ってろよ。教授。
主役も取材の為とはいえ、少しは大人しくしてろよ。お前の所為でかなり事態は急速に悪化していたよ。
自分も閉所恐怖症のくせに・・・。

ドラは確かに最後に、活躍(あの躊躇いの無い撃ちっぷりと、冷静沈着さ)してはいましたけれど、やっぱり途中途中に入るあの回想は、本当に必要なんでしょうか。
ドラって女性が最後まで謎の人でした。
わざわざ助けに乗り込むほどに、深い仲にいつの間になっていのでしょう。

主人公と同じ独房の、謎の男が「少佐」であると分った瞬間、妙に嬉しかったです。
ドイツ人少佐=エーベルバッハ少佐…。
(似ても似つかないんですが…。こう、堅物な感じが、ああドイツの軍人だなと)

そんな下らない連想でもして観ていないと、怖いんですよ。

ドイツ映画だから、いいんでしょうね。
アメリカ映画だと、状況にのまれていく人々が、どうにもじわじわおかしくなるというよりか、ラリってるような状態になっていそうで。
あくまで、アメリカ映画のイメージですが。
ラストもきっと、もっと派手に逃げ惑うアクション・アクション…ってなりそう。
イメージ偏り過ぎでしょうか。

で、面白いか面白くないかといえば面白い。
★三つくらいかな(5個中)

映画とは関係ないですが、白衣を着ていると1000円とか、心理学部の学生は100円引きとか、おもろいですね。
映画館の受付の人々が白衣着ていて、最初びっくりしました。
こ、コスプレ映画館…??と思って。
小さい映画館ならではなのでしょうか。



蒼子 |MAILHomePage

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