妄言読書日記
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2010年10月16日(土) 『インシテミル』(小)

【米澤穂信 文藝春秋】

ポップな外見だけれど、早々にインディアン人形が出てきたり、ノックスの十戒が出てきたりと中身はけっこう古色蒼然。
キャラクターが極めて記号的なのでサークルドミステリの怖さは薄くて、ミステリクイズみたいだなぁ・・・という印象。

故意にサークルドミステリを発生させるとどうなるか、が主催者の目的であり、すなわち作者の目的、なのだがどうせこんなにCUBEめいた非現実的な話なら、もっとメタなオチでもいいんではないかと思いましたけど。
主催者=作者とか、主催者=読者だとかそういう。
むしろそういうの期待してたんですが、普通でしたね。

さすがに冒頭に十戒持ってくるだけあってフェアだったのですが、それが物足りないです。
十戒をミスリードにしてたらよかったのになぁ。
いまいち使われなかった設定とかも気になるし。武器ももっとフル活用したらいいのに。

予想してたよりも全然真っ当、普通のミステリだった、というだけで別に悪くはないと思う。

一人、浮きまくっていた祥子が特に何もせず終わったのがなんだかなぁ。
2への伏線引いただけ?いや2はないでしょ。2は。



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