妄言読書日記
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2011年01月11日(火) 『神の棘 I』(小)

あけましておめでとうございます。今年もゆるゆる行きたいですが、今年はもう少し読む冊数増やしたい。

【須賀しのぶ 早川書房】

コバルトでお馴染み須賀先生が、最近は一般でも書くようになって喜ばしい限り。
そもそもコバルトでも若干浮いていたからな。
延々軍議とか、第一次世界大戦の飛行機野郎とかとか。私はそっちの作風の方が好きなのでいいのですが。

表紙がお馴染み梶原にきかと思ったけれど多田由美だった。これはこれでいいですね。

舞台はナチス・ドイツなので一瞬、一歩引いてしまいそうになりますが、主人公は情報部員のアルベルトと、幼馴染(と言ってもそんなに仲が良いわけでもないが)で修道士となったマティアス。
あらすじには友情と裏切りって書いてあるけど、そもそも二人の間に友情が希薄なので因縁に近いような。

こうして読んでみて、ナチス・ドイツの時代の普通のドイツ人のことって何も知らないなぁと思います。
順風満帆だったアルベルトの転落で二人の運命がどうなっていくのか。
須賀先生のドライな人間観察眼が光っているなぁ。



蒼子 |MAILHomePage

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