妄言読書日記
ブログ版
※ネタバレしています
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【吉村昭 新潮文庫】
先日、三毛別羆事件のことテレビでやってたみたいですが、それは見てないです。 日本で起こった獣害事件で最も被害の大きかったもの、だそうですが、それを題材にした小説。 第一次世界大戦の直後の頃の話し。 まずは、この頃の開拓民の住んでいた家が藁で、扉がむしろだっていう描写に驚き、ついでにWikiにも当時の家の再現写真があってそれを見てさらにびっくり。 こんな家で、北海道の冬毎年越してたのか。 特に事件のあった集落は貧しい村だったのもあるけれど、きっとこういう村の方が多かったんだろうなぁ。 そりゃあ熊も侵入するよ。
羆の襲撃、冬の暮らし、そしてその前にあった蝗の大発生と、とにかく開拓時代の暮らしが過酷で、北海道民としては先人に感謝の念を抱きます。
羆が身近な生き物なだけに、村人たちがパニックになるのも理解できる。 今だって起こりえないとは言えない。 うまく共生したいもんです。
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