妄言読書日記
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2011年08月26日(金) 『羆嵐』(小)

【吉村昭 新潮文庫】

先日、三毛別羆事件のことテレビでやってたみたいですが、それは見てないです。
日本で起こった獣害事件で最も被害の大きかったもの、だそうですが、それを題材にした小説。
第一次世界大戦の直後の頃の話し。
まずは、この頃の開拓民の住んでいた家が藁で、扉がむしろだっていう描写に驚き、ついでにWikiにも当時の家の再現写真があってそれを見てさらにびっくり。
こんな家で、北海道の冬毎年越してたのか。
特に事件のあった集落は貧しい村だったのもあるけれど、きっとこういう村の方が多かったんだろうなぁ。
そりゃあ熊も侵入するよ。

羆の襲撃、冬の暮らし、そしてその前にあった蝗の大発生と、とにかく開拓時代の暮らしが過酷で、北海道民としては先人に感謝の念を抱きます。

羆が身近な生き物なだけに、村人たちがパニックになるのも理解できる。
今だって起こりえないとは言えない。
うまく共生したいもんです。



蒼子 |MAILHomePage

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