妄言読書日記
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2011年10月17日(月) |
『天と地の守り人 第三部新ヨゴ皇国編』(小) |
【上橋菜穂子 新潮文庫】
バルサとチャグムはそれぞれの道で、新ヨゴへ。 ついに開戦してしまい、前線のタンダが否応なく巻き込まれていくのが辛い。
一方、タルシュ側の視点もあったりで、相手側のことも一概に憎めないところが上手いなぁと。 国王とアイオルの関係、ラウル王子とヒュウゴの関係により、物語のあともタルシュがどうなっていくかが色々想像できる。
天と地が、ナユグと地上だけではなく、父とチャグムの生き方の違いでもあることがわかる瞬間感動を覚える。
腕を落とすシーンが最高の愛情表現と言っている上橋先生を見て、やはり児童文学の枠に収めてはならん人だとしみじみ思った。
それぞれに重いものを抱えることになりながら、明るい方向が示唆されるよい終わりでした。 正直、もう少し何人か死ぬんじゃないかと思った。 しかし先生は困難な方の道を選んで見事完結に導いたなぁと。
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