妄言読書日記
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2011年11月09日(水) 『黒田如水』(小)

【吉川英治 六興出版】

今回は吉川版。
童門版が、関ヶ原から晩年をメインにしていたのに対し、こちらは秀吉に出会ってからの数年の話し。
吉川先生は三国志以来だけれど、登場人物たちがきらきらなんだよなー。なんというかピュアなんだよなー。
官兵衛(如水。作中ではついに如水とは呼ばれず。タイトル間違えだよな)といい、秀吉といい半兵衛といい、みんなピュアです。
吉川先生のいいところ。

やっぱり、官兵衛といえばのエピソードは、囚われている間に、信長に謀反を疑われるというのが欠かせないように思うので、それが思いっきり抜けてた童門版はちょっと物足りなかったな。
かといって、吉川版は本当に、秀吉、半兵衛との交流がメインだったので、半兵衛が死んでしまうあたりまでしなく、それはそれで物足りない気もしました。
このあと、結局、秀吉にも疑われるんだよなーと思うと、官兵衛って何かこう信用ならん印象がつきまとう人物だったんだろうなぁと思います。
頭切れすぎるのも困りもの。
しかし、黒田家は仲良くていいよね。

物語の三分の一くらいが、荒木家に幽閉されてる官兵衛だったので、地味です。
よく生きてたなー。というかよく殺されなかったなぁとこのエピソード聞くたびに思う。



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