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■ 満天の星空...1
PPPP... PPPP... PPPP...
午前3時。 彼の携帯の目覚まし音が部屋に鳴り響いた。 私はがばっと飛び起き、ベッドルームからリビングに続く階段を降り テラスに出た。 彼も私に続くようにしてテラスに出る。
月は姿を消し、ホテルの照明もすべて消え、暗闇が静かに広がっていた。 無くしたものを探すような気持ちで、私は空を見上げる。
星…、見える。たくさん見えるよ。 さっきの10倍。 ううん、30倍? もっとかな?
私の目が少しずつ暗闇に慣れてゆくと、ぼやけたファインダーの焦点があうように 夜空の星はその数を増してゆく。
ね、すごい、すごいよ。 あ〜、こんなだったら、星座の予習してこれば良かった。 星がありすぎて、何が何だか分からないよ。
ほら、あれはさそり座じゃない? 下に向かってしっぽがあるでしょ。
ほんとだ。 アンタレスが赤く光ってるものね。
はしゃぐ私に、彼は「良かったね。星が見えて」と微笑む。 後ろから抱きしめられ、私は頭を彼の胸に預けるようにして天頂を仰ぐ。 そこには北斗七星があった。
冷たい風が少しずつ体温を奪う。 ずっと見ていたかったけど、部屋に戻った。
沙夜、おいで。
彼の懐に滑り込む。
(あったかい…)
2003年04月15日(火)
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