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沙夜



 無口な 旅の終わり

旅の終わりには、あの“恐怖の振り子電車”が待ち受けていた。


彼が「バスで帰る方法もあるよ?」と言ってくれて、私もかなり迷ったが
結局は“昼食抜き&爆睡で電車酔いを逃れる作戦”を決行。
それは成功した。


どうする?
駅に着いたら、そのまま帰る?


うーん…、そうだね。
帰ろうかな。


……そっか。


もう少し一緒にいたかった。
でも、そこから更に長い時間をかけて帰ってゆく彼の事を考えれば
その時そんなわがままを口に出来る筈もない。


感情を押さえ込み、私は無口になる。
無口で、不機嫌になる。


そして彼をホームで見送ることもせず、素っ気無い態度で「じゃあね」と
別れてしまった。


本当は……、見送りたかったのに。
しなかったのは、笑顔で見送る自信がなかったから。
大泣きしちゃいそうだったから。

私、いつも、わがままでごめん。




夢が叶ったのは、あなたのおかげ。
一生、忘れないからね。


ありがとう。



+++

帰宅して、PCのメールチェックした。

もう開くことがないと思っていたフォルダに、1通のメールが落ちる。


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2003年04月17日(木)
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