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沙夜



 私の中から零れてしまった何か。

はい。プレゼント!


彼に、パンツとベルトを渡した。


わーっ、ありがとうね。

……ごめんね〜。
貰うだけで、こっちは何も無くて。



え、無いの?


がびーん。


でも彼は忘れてた訳じゃなくて。
ちゃんと用意してくれてた。
諸事情があって、今日持ってくるのには間に合わなかったけど。


仕方ないって思いながらも、楽しみにしていた気持ちの方が強すぎた。
着ていた服も、あのネックレスが似合うだろうな〜って考えながら
選んだものだった。
パッと気持ちが切り替えられそうになかった。


首がサビシイよ〜なんてぐずぐず言ってたら、そのうち彼の方が
私よりも凹んでしまった。










お盆休みに色々あって。
その後、私は今までのように彼に甘えるのはやめようって思った。
自分が傷付かないように。


でも、それじゃダメだった。
私の中から、ぽろぽろと何かが零れていく。


だから、自分の気持ちをぶつけて。
彼の気持ちも聞いて。


その時、改めて思った。

私が思うより、彼は私の気持ちが分かっているし
彼が思うより、私は彼の気持ちが分かっているってこと。
そして、
分かっていても、出来ないことがあるってこと。


傷付いてもいいから、もう一度甘えてみようかな。


あのネックレスの、真っ赤なハートのモチーフが、
私の中から零れてしまった何かを、拾い集めてくれる気がした。










ね。明日、違うの買ってくれる?


あのネックレスの代わりに?


ううん。アレはアレ。
別っこに(笑)



ひぇ〜。


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あ、逆?



2003年09月29日(月)
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