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沙夜



 ごたごた。S子。

S子を着信拒否にしてから、1年4ヶ月が過ぎた。
彼女のことを書いた過去の日記はもう削除してしまったけど、
3Pをしかけてきたり、Hくんとも仲良くメールをしたりして
私をやきもきさせた悪友。


我が儘だけど、サバサバしていて他人に全く干渉しない性格が好きで
かなり振り回されながらも、長い間友人関係を続けていた。


でもいつからか、口うるさい母親のようにあれこれ言うようになった。
干渉したり、指図したり、否定したりするようになり
それがちょうどHくんのことで落ち込んでいた時期と重なって、
耐え切れなかった私は、逃げるように彼女との付き合いを断った。


携帯での着信拒否に気が付いたS子は、その理由を問うメールを
送ってきたが私は返事を出さなかった。


それからは、メールも、自宅への電話も無いまま月日が流れた。




去年のいつ頃だったか、Hくんが携帯メールで
「最近、S子さんからメールが来るよ」と言ってきた。
もうどうでもよかったし、拘わりたく無かったので
「ふーん」と気の無い返事をした。


それが今年になってからは
「S子さんから、よく電話がかかってくるよ」になった。


Hくん、電話番号を教えたんだ……。
S子、私の悪口を言ってるかもしれないな、なんてことを考えた。


「あまり相手にしない方がいいよ」

「そのつもりだよ。
 家に遊びに来い、いつくる?とか結構うるさいよ」


Hくんは、うるさいと言いつつ、それほど困った様子でもなかった。




先日私がインフルエンザで寝込んでいる時、自宅の電話が鳴った。
ディスプレイには、S子の名前。
躊躇しながらも受話器を取った。


「もしもし!? インフルエンザ? あ、そう。
 いつから? 医者は行ったの!? 薬は? 注射は?
 じゃ治ったら電話して! わかった?」

「あのね、そんな言い方されて……
 私が電話しなくちゃいけない理由ってあるの?」

「1年以上話してないんだよ。あんた話すことないわけ?
 こっちは色々と事情が変わったの!
 話したいことがたんまりあんの!!」

「……。」

「いい? 電話してよ?」

「……うん」



相変わらずな高飛車ぶり。
電話に出たことを激しく後悔した。


うん、と返事をしたものの、電話する気もなかったし、
再びかかってきても、もう出たくないと思った。



2004年02月17日(火)
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