サッカー日本代表がこのW杯で活躍をするか、あるいは無残に敗退するかは別として、日本サッカー協会の代表強化の方法は間違っていることを指摘しておきたい。その一番はホーム中心の国際試合が多すぎることだ。調整の不十分な相手を破ってFIFAランキングを上げている。いわば、ランキングの「バブル」である。 私がしばしば口にする、欧州ゲルマン系強豪とは、イングランド、オランダ、ドイツの三強にベルギーが続く。そして北欧のスウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド。さらに、アイスランド、ルクセンブルクなどの小国がその下に位置する。日本はW杯直前まで、これらの国と戦ったことがない。 4年間の準備期間でアウエーの国際試合が少なすぎるのだ。理由は地理的な条件がまずあるが、協会が積極的に強化試合を組まないからだ。だから日本代表は常に国内で人気先行、基礎的な実力が伴わない。 欧州勢はさらに、東欧(チェコ等)、バルカン半島(ユーゴ等)などに強豪がひしめいている。これらの国の優秀な選手は海外でプレイしているから代表の力は計れないと思うかもしれないが、アウエーでやれば相手は強いことが分かる。さらに、中南米、アフリカでの試合は皆無に等しい。 私は日本のため、このW杯で日本代表が予選で敗退することを実は願っている。予選なしのこのW杯、ホームの利で上位に進むならば、サポーターも選手もマスコミも、日本の実力を過信してしまうだろう。だが、日本の実力は、ランキングでいえば、40〜50位前後だと思うのだ。 この大会が成功か否かのメルクマールは、日本がベスト16に残るかどうかよりも、大会後、何人の選手が海外に行くかではないだろうか。
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