世界のサッカー市場が活況を呈してきている。超大物の移籍はまだないが、代表クラスの移籍がそこそこ動き始めた。また、各国の代表監督も選出され、欧州は2年後の欧州選手権に向けてチームづくりを始めた。欧州選手権の実力度はW杯をしのぐといわれてきた。今回のW杯前までは、アジア、北米、アフリカが入ったW杯を、欧州だけの大会の下にみる傾向があった。確かにFIFAランキング上位の欧州の国が予選で破れW杯に出られないのに、アジア枠でランキング下位の国が出てくるのだから、それもいたしかたない面があった。しかし、アジアで大会を開いてみると、ホームの2国が強かったりアフリカ勢が世界一を破ったりと、欧州優位が揺らいだのだ。けれど、今回のW杯だけで欧州優位が崩れたところまではいっていない。韓国がホームの利で欧州強豪に一泡吹かせたというところだろう。 さて、その欧州チームから日本選手にお声がかからない。その反対もない。Jリーグに移籍してくる大物といえばいまのところ、ブラジル代表のエジウソンだけだ。元柏なので復帰だが、柏時代はセレソンではなかった。エジウソンはロナウジーニョの代役を務めたバリバリのセレソンだが新鮮みには欠ける。でも、Jリーグで腕を上げてセレソンに選ばれるというこの事例は悪くない。トゥット(浦和)、エメルソン(浦和)の2選手にも、その可能性がある(と私には思えるのだが)。 日本におけるW杯後のサッカーの話題がジーコの代表監督就任だけでは寂しい。日本から海外のリーグへ、あるいは海外からJリーグへ、代表クラスがどんどん移動してほしい。こうしたグローバルな流動性がサッカーの魅力なのである。海外移籍しなくても強化は図れると、韓国の例をもって主張する人もいるかもしれないが、W杯だけがサッカーではない。リーグが基本なのだ。その意味で、日本は取り残されているかもしれない。
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