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2011年09月23日(金) 先が思いやられる―U22日本代表の現状と課題―

ロンドン五輪アジア最終予選の初戦、日本(U22)は2−0でマレーシアに勝った。この試合結果について、「快勝」もしくは「ロンドンに向け好発進」だとか称賛する向きもあったようだが、筆者に言わせれば、「先が思いやられる」に尽きる。

放ったシュート数は、日本(U22)の26本に対してマレーシアが2本。ポゼッションは日本(U22)62%に対して、マレーシアが38%。試合を見なくとも、日本が圧倒的優勢であったことは計り知れる。ところが、サポーターは、日本(U22)が絶好機でシュートを外すシーンばかりを続けて、見せられた。

そればかりではない。体格的に劣るマレーシアの選手に弾き飛ばされるシーンが続出。試合終了近くには、日本(U22)の期待の星である清武が足を痙攣させる始末。交代枠の3人を使い果たした後なので、清武が足を引きずりながらピッチをうろうろするシーンまで見せてしまった。

マレーシアの実力は、日本の大学リーグのチームくらいだろうか。体格も日本よりは劣っている。日本(U22)選手の何人かは、そんな相手に対し、お洒落に格好よく決めてやろうという意識が目立ち、ヒールパスやゴール前のスルーまで繰り出した。そういうプレーが悪いわけではないが、それよりも、最低限5点差程度の点差で勝利しなければいけなかった。

かつて、日韓W杯(2002)に向けた強化試合において、トルシエジャパンが欧州遠征でフランスに0−5で負けたことがあった。この試合は「サンドニの虐殺」と呼ばれ、当時の日本代表と欧州強豪国代表との実力差を実感させる試合として、サッカーファンに強い印象を与えたものだ。“サンドニ”というのは、パリ郊外にあるナショナルスタジアム「スタット・ド・フランス」がある地名のことだ。

アジアナンバーワンを不動のものとすることが日本の使命であるならば、この試合に日本(U22)が課せられたミッションは、東南アジアのサッカー新興勢力マレーシアに対し、「鳥栖の虐殺」を敢行することだった。

ところが、結果はご覧のとおり。格下相手に相当手こずった。日本(U22)の課題は、第一に戦術の未熟さ。引いた相手に対して速攻を仕掛けることは悪くない。積極的な前からの守備も結構。だがしかし、90分、ギアをトップに入れたままで走る続けることは難しい。�々況發離謄鵐櫃吠儔修鮖�たせること、��点を取る確率の高い戦術を選択すること――ができていない。

第二はフィジカルの弱さ。清武が足をつった理由はわからないが、前出のとおり、マレーシアの選手に競り負けるようでは、中東相手だと、かなり苦戦する。

第三は、高さを生かした武器を用意しなかったこと。アジア予選において、とりわけ、南アジア、東南アジア、東アジアのチームと戦う場合、高さが有効であることが多い。にもかかわらず、いまのU22代表の指導者たちは、選手選考の過程で“高さ”を意識していない。フル代表がハーフナーマイクを選んだ意味を理解していない。

第四は決定力不足。このことを日本人の民族性に還元する論者もいるようだが、そんなことはない。とはいえ、この課題を短期間で解決することもまた困難だ。というのは、このことは、日本のプロサッカーのあり方の根源に起因するからだ。

その根源とは、日本のプロサッカー(Jリーグ)の甘さということだ。J1リーグは18チームで構成されているが、どうみても多すぎる。グローバルな傾向として、決定力のあるFWの選手層は厚いとは言えない。Jリーグ全チームに一人ずつという割振りすら難しい。実力のある外国人選手の補強も難しい。このことは、ガンバ大阪の点取り屋ブラジル人選手がことごとく、中東に引き抜かれる現実を意識すればよくわかる。日本人選手の点取り屋はJリーグ各チームに一人ずつ、すなわち、18人すらいない。いわんや、U22をや・・・Jリーグでは、決定力不足のFWがレギュラーとして使われ続けている。Jリーグの日本人選手には、決定機を外せば契約を切られるという切迫感がない。代わりが用意できないのだ。さらに、J1でだめでも、J2で・・・という逃げ場がある。J1のチーム数を調整するのは今すぐ、というわけにはいかない。

ではどうすればいいのか――答えは単純、U22の選手選考に工夫を凝らす以外にない。高さを生かせる選手、裏をとる動きのできる選手、ドリブラー等々を手駒として持っていることだ。U22の監督、選手には、相手によって、戦術を変えられる柔軟性が必要となる。フル代表においてすら、決定力不足は解消されていないのだから、U22ならばなおさらだということを忘れないでほしい。U22というカテゴリーの代表チームが、不動のメンバーで戦い続けられるほど、日本のサッカー界の選手層は厚くないし、実力も高くない。U22指導層には、フル代表以上の創意工夫が求められる。

このことを裏返せば、第五の課題とは――というよりも、ここを見直せば、チームのポテンシャルからして、もっといい試合ができるはずなのだが――代表監督人事ということになる。筆者は、U22の現在の代表監督の人事(適性、能力、資質)について、大いなる疑問を抱いているのだが、協会、サッカージャーナリズムは無関心のようだ。アジア大会金メダルの監督を代えるわけにはいかない、というのかもしれないが、功績は認めるけれど、終わったことは忘れたほうがいい。

筆者ならば、ホームでマレーシア相手に2点しか取れなかったショックをもって、関塚U22代表監督を解任する。次の試合(アウエーのバーレーン戦)ではたぶん、遅すぎるだろう。


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