lucky seventh
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2004年12月22日(水) 君だけを



アイツが、俺のかわりに泣いてくれるから。




















“君だけを”

















俺の神さま

俺だけの神さま


俺に『俺』をくれた絶対の存在


『愛は容易くも憎しみに変わり、
 憎しみは、いつしか愛へと変わっていく。』


あぁ、そんなに憂えないで泣かないで

『人はなんと、移ろいやすく変わり行くのだろう…』

そんな表情をさせるこんな世界なんて、俺が壊してあげるから…















「なぁーんだ、あっけなくネェ?」

声もなく、立ち尽す人々の頭上から声が降ってきた。
日頃聞き慣れた声なのに、一瞬誰だか分からず警戒したように騒ぎだす。
地べたを這いずる人の群れにその硬質で、鋭い声の持ち主は音もなく降り立った。
そしてゾクリとするような、見たことのないような表情で笑った。
それまで見せていた人の良さそうな笑みが剥がれ落ちた。
残酷で、惨忍な姿をさらした。

「あれぇ?びっくりして開いた口も塞がらないってカァ??」

いつも着ている整備士ようの服に、自慢の膝裏まである長い三つ編みが揺れる。
クックックと音をたてて、笑う。

「ダメだねぇ〜、ダメダメですヨォ〜」

前半は呆れたように、後半はいつものポカした時に叱るように
すっとぼけた口調で話すその姿に、まさかと視線で人々は見た。

「大丈夫。ちゃーんと地獄へ送ってあげるから、
 だから、大人しく死んでくれネェ?」

その瞬間、艦内にけたたましいサイレン音が響き渡った。

「まさか…貴方なの?」

緊急事態のせいで、臨時艦長となった女が信じられないわとばかりと言った。
その声音には、どこかした懇願がまじる。

「ねぇ…貴方なの!?」

ニコリ
無言の笑顔は肯定か、否定か。
彼は彼らしからぬ笑いを浮かべ、狂った宴の幕をあげた。

「さぁ、さいごのショータイムの始まりさ」

その視線は虚空を漂い、どこか遠くに向けていることを
絶望にたたき落とされた地上の人々には分からい。















ねぇ、俺の神さま

世界でただ1人の俺だけの神さま


あなたのいないココで、どうして俺だけがココにいるのですか?














「もう、涙はでねぇんだよ。」

裏切りを罵る言葉に笑う。
最初に裏切ったのは、どっちだと言うように。

「アイツが、俺のかわりに泣いてくれないから
 悲しみも憎しみも、たまる一方。」
















否定されることで俺はこの世界に存在し続けてきた。

それならば、俺も否定しよう。

俺を否定することで存在し続けるこの世界を


受け入れることしかできなかった、俺の神さまに変わって…















「さぁ、逃げまどえ。
 これがせめてもの、さいごの慈悲だ」



ナナナ

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