lucky seventh
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2004年12月23日(木) |
Oh My God! |
「神はいたよ。」
少女は微笑んだ。
「祈りもしない。願いもしない。 ただ、神が存在していたなら、私は信じられたから。」
少女は言う。 怯むことなく、脅えることなく。
「縋りたいんじゃない。救いが欲しいわけじゃない。 確かに、そんな時もあるかしれない。 だけど、それよりも私は知りたかったんだ。」
ただ、淡々と言葉を紡ぐ。
「神がいるのか。」
世界の終着駅という名の駅があった。 昇った太陽が落ちてくるさまが、まるで世界最後の日のように 美しく、儚くもある街にある駅だから、人々はそこを世界の終着駅と呼び、 そこから先の大地は世界の果てと呼んだ。 老婆は語る。 遠い昔に、1人の少女が世界の果てへと旅立った。と。
「およしよ。」
宿屋の女将が少女に言った。
「あそこは未開の地、何があるか分からないよ。」
少女の身を案じているのだろう。 心配そうに、引き止める女将に少女は申し訳なさそうに苦笑いした。
「女将さん、ありがと。 でも、私は行きたいんだ。」
その瞳には決意が強く表れいて、永年色んな人を見てきた女将には 自分では止められないと覚った。
「本当に行くのかい?」
これは最後の確認と言うように、女将は言う。
「うん。」
少女は笑った。
「ここで最後だから。」
これは少女の長い、長い旅の最後のお話し。 神を探して、世界中を旅した少女の過ごした物語り。
ナナナ
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