lucky seventh
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2004年12月24日(金) 君だけが

アイツは、俺のためにいてくれたから。


















“君だけが”


















「お前たちだって殺してんじゃネェのかよ?」

短く、不揃いの髪が揺れる。
あんなに自慢にして髪が短く無惨にちぎり、切れていた。
どうしたんだ?そう聞いた時、彼はあげたんだ。そう言って笑った。
あの衝撃的な事実を後にして、始めて見た彼の心からの微笑みだった。

「軍人になって、片棒担いでる奴の言うことじゃネェだろ?」

その彼が怒っていた。
あの震撼させるような、嘲笑うかのような笑みを見せて。

「同じように殺してんだよ。
お前が、お前の家族を殺されたように…ナァ?」

彼の逆鱗に触れてしまった少年は、呆然と彼を見る。
筋金いりの猫かぶりの彼、偽ることを知っている彼、
きっと、ここでもあの時のように何だかんだ言って頼りになる整備士を
やっていたのだろう。

彼は、この世界を否定するために生きていると言うのに。

「貴方に何が分かるって言うんですか!??」

凍り付いた少年の頬が、赤く紅潮する。
自らも持て余す、憎悪をたぎらせて。

「知らネェよ」

だけど、底知れぬ闇のような彼の心には何も響かない。
どこまでも絶望に身を浸した彼には届かない。
その声に、泣きそうな色が含まれていると分かっていても、
うるさいとばかりに、彼は笑うだけだった。

「ただキャンキャン、犬みたくほざくお前が目障りなんだよ。」






この世界に捕われた奴の言葉なんて知らない。

この世界はぜったいなんかじゃないから、


ナナナ

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