lucky seventh
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2005年04月24日(日) *彼方だけのために回る世界

怖い

恐い 


こんな世界に一人、おいていかないで…












*彼方だけのために回る世界













「あたしの目は他の人より悪くて、だから他の人より見えないものが多い。」

あの人はそう言って悲しそうに笑う。
でも、それ故に僕と出会えたのならそれはそれでよかったと言ってくれた。
嬉しそうに、誇らしげに。

「恐れるるのも、憎むのも、それはすべて愛ゆえに。」
そんなこともあるのだよ。

あの人が世界のすべてで。
そんなあの人が何よりも大切で守りたいと気がついたのは、
共に過ごす日々のいつの間にかのいつか。


けれど、あの人はもういない。

奪われた。

殺された。


死なされた。




思い出だけに、あの人が残された。
その心の中だけでしかあの人は存在しない。

あの温もりも、
あの笑顔も、

そして、名を呼んだその声も、


瞳を閉じた、その中にだけ。
まどろみ中の浅き夢の中にだけ。
そっと現れては、身を引き裂くような思ういけを残しては 消えていく。


行かないで。

虫の息の中、狂乱する僕に向かってあの人は優しく呼びかける。
最後の最期まであの人は伝えようと、残そうと。

「あたしは此処にいるよ。」

見えない目に、僕を映して。
言い聞かせるように、忘れないように。

おいていかないで。

「世界にはあたしの残したものがおいてある。
 世界中にあたしと君とが共有した時があるから、
 だから あたしはそこにいるから」





失うことに気がいきすぎて、得たことには気づかない。
恐怖とは時に、人の心をも支配する。





「あなたをさがしに行きます。」

だからどうか
それまでもう少しだけ、子供のままのように
ただ、泣いているのを許して。


ナナナ

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