lucky seventh
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2005年07月29日(金) |
(仮)砂の記憶 遠雷の章 |
わたしには生まれ前の記憶がある。
所謂、前世の記憶というやつだ。
砂の記憶
その記憶は物心つく頃にはもう、わたしの一部として 魂の中に刻まれたものとして存在していた。 それはあまりにも悲しい、遠い日の思い出のようで その記憶を夢に見ては、泣いた。
思い出すのは、空へとはなった慟哭、 あの一面の青空の中で、確かにあたしはすべてを失った。
理不尽な世に殺されて、 大人たちに黙殺されたあの日のあたし達。 自分という存在がこれほどまでに小さかったのかと 手を、血が出るほど握りしめた。
知らなくっていいことを知って あたしは、一つ大人の階段を昇る。
夢の中のわたしはいつも死にそうな目をして生きていた。 すべてを失った日からずっと、アンビバレント。
白い部屋の中で、時がまるで止まったように あたしはそこから出てくることを拒んだ。
誰もいない。 笑いあった思い出はもう、思い出としか存在しない。 あたしの手は罪に汚れたまま…
そしていつも、最後は自分をここまで追い込んだ大人への軽蔑。 そして無力な子供である自分への 言い訳とそれを許さぬ自分への侮蔑。
いつか大人になってわたしはこんな大人になってしまうのか? 嘆きがあたしを追い詰めていった。
ナナナ
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