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オトコにもてるオンナ(6) - 2003年03月16日(日) このテーマも書き出したらエンドレスになりそうだが(笑)、今回でひとまず終わりにします。 恋愛小説、恋愛映画の永遠のテーマのひとつに「三角関係」がある。 それも多くはひとりの女性と、ふたりの男性を描いたものだ。 女性はもちろんみめうるわしく、でもどこか多情なところがあって、本能のおもむくままに行動してしまうタイプ。 ひとりの男性に心と体を許しているのだが、ささいな理由で彼と喧嘩してしまったときに、たまたま優しくしてくれた別の男性と、後先考えずに関係を持ってしまったりする。 結局、元の恋人に「やりなおそう」といわれても、すでに新しい恋人と抜き差しならぬ状態になっている。 ふたりの男性は彼女を巡って対立し、刃傷沙汰にまでなることもある。 そうして、最悪の場合は、人ひとりの命まで犠牲になることもあるのだ。 ひとはこういうヒロインのことを、かつては「悪女」「毒婦」などと呼んでいたようだが、なんのことはない、女性の社会的地位が向上した現代では、ごくありきたりの話であるね。 実はこういうケースが、僕の近辺にもあった。 女性は、かつてはミスコン荒らしの常連でもあったくらいの美女。 東南アジア系のエキゾチックな顔立ちで、モデルのようなアルバイトもやっていただけあって、プロポーションも完璧。 とりわけその脚線美は超一級品だった。 また、そのような容姿でありながら、別に気取ったところもなく、むしろサバサバとした性格であった。 そんな彼女だから、男性にモテないわけがない。 そんな彼女が仕事の関係で知り合った、とある大手広告会社のやり手営業マンS氏(独身)に見染められ、熱烈に口説かれて付き合い始める。 付き合って数年たったころ、別の男性の影が彼女にさしはじめる。 彼女が転職した先の会社にいた先輩社員、彼は妻子持ちだったのだが、大胆にも彼女に言い寄った。 そしてほどなく、オトコとオンナの関係になってしまったのだ。 最初の彼、S氏とも完全に別れないうちに。 その先輩社員は 「妻と別れて、君と一緒になりたい。だから、彼氏とは手を切ってくれ」 といって彼女に迫ったそうだ。 さらには、そのS氏にも、彼女と別れるよう頼んだともいう。 しかし、S氏はへこたれなかった。 「なんで妻子持ちのアンタに、独身のオレが彼女を渡さなければいけないんだよ!」 と食い下がった。 そのうち、妻子持ちの男性は、その話が妻にばれてしまい、彼女にこっぴどく責められることとなる。 こうなると、事態はもう、完全に彼に不利だ。 結局、女性は最初の彼のもとに戻り、しばらくして、何事もなかったかのようにふたりは結婚することになる。 この話をひとづてに聞いたとき、僕は、 「なんでその女性は、一時とはいえ妻子持ちの男性なんぞに、ころんでしまったのだろう」 と疑問に思った。 だって、僕はその両方の男性を知っていたのだが、妻子持ち氏のほうが「いいオトコ」というわけでは決してなかったのである。 ふつう、独身で経済力もあり、見てくれも悪くないオトコと、妻子持ちのオトコを天秤にかけたら、どちらかを取るか。 言うまでもないだろう。 にもかかわらず、一時の彼女は、妻子持ちのほうにかなり傾いていたのである。 実は彼女は、派手ではじけたルックスとは裏腹に、かなり頭の切れるタイプであった。 そして、まず「本心」というものを、他人に簡単にさらさないひとでもあった。 ブオトコだろうが、妻子持ちだろうが、決してどんなオトコに口説かれても、「あなたのこと、嫌い」とはいわない。 もちろん、簡単に「イエス」ともいわない。 よくよく相手を吟味して、ゆっくりと答を返すのである。 つまり「引っ張る」のがうまい。 口説かれたら、条件反射的に「イエス」か「ノー」を返す、世の中の大半のオンナとは、だいぶん頭脳構造が違うのである。 ま、多くのオトコから言い寄られていれば、自然とそういうワザが身につくのかもしれないが。 そんな彼女のことだから、その妻子持ち男に対しても、特に拒絶するでもなく、淡々とかかわりあっていたのだろう。 で、オトコのほうが、どんどん熱くなってのめり込んでいった、ということなんだろうな。 こういう高度な技術を持った、知能犯的な「オトコたらし」はたしかに存在する。 その「能力」は素質によるものが半分、実地による習得が半分といったところだろうか。 そして、たいていの場合、オトコは見事に彼女の魅力にハマって、破滅する。 が、女性の方は、意外としぶとく、オトコのようには破滅などしない。 「三角関係」というものは、往々にして修羅場を招くものであるが、彼女くらい頭が切れればなんとかなるものだ。 たとえ、その関係が露見したとしても、女性が確かな判断力を持っていれば、最悪の事態は回避できる。 その証拠に、約10年の歳月を経た今も、ふたりは別れることなく、結婚生活を続けているのである。 (一方、妻子持ちの方は、その数年後、妻から三下り半をつきつけられ、いまだに独身でウロウロしていたりする。情けないのう。) いやー、彼女こそまさに「恋愛のプロ」、そういう気がする。 「モテる」ということは、さまざまなリスクを伴うわけだが、それらにひるむことなく、解決していけるとは、プロ以外のなにものでもない。 …ですが、だからといって、誰にでも出来るというものではないので、万事にフツーのレベルの方々は真似しないほうが身のためですが(笑)。 ...
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