妄想の嵐
結子



 練習してないで原稿やれよ。

はい!また、鋼錬成。ヒュロイ。

どうもうちのヒュロイはヒュがしっかりヘテロだったりするパターンが多くて報われません。
ロイロイが一人でぐるぐるしてます。
かわいそう。一度くらいちゃんとせっくすさせてあげたいです。ヒューと。

あああ、こんなことやってないで原稿書いたらいいよ!あたし!
でも、これって練習?なのかも?
はまりたてのジャンルで絵描きがこう、絵を練り練りするみたいに。
あたしはSSを練り練りして、練習?原稿へ向けて。

もう、走り書きレベル。程度低い。
眠いし、仕事ばっかで気が狂いそうなので。メモレベルでご容赦ください。
そのうち綺麗に書き直したい。色々。

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 酔ったフリをして、一度だけキスをした。


 裏ぶれた市街地の酒場。
 空腹に呷った安っぽい酒は水のようで。
 けれど内臓を熱するアルコールは、ひどく悪質。
 久方ぶりに顔を合わせた友の肩に頬を預け、ロイはうつらうつら舟を漕ぐ。
『仕方ねえなぁ、マスタング大佐は酒に弱くて』
 苦笑まじりの低音が頬骨に響いて臓腑に落ちた。



 疲れているのだろう。
 たった数杯を干しただけで、口腔に満ちるアルコール臭に不快を覚えた瞬間。
 ロイはつ、と眉を寄せ、瞼を閉ざしたのだった。
「眠い」
 ぼそりと呟けば、ぽんぽん、と子供にするように頭に手を掛けられ。
「あ〜。寝ろ寝ろ」
 等と。何の疑いもなく肩を差し出されるから、泣きたくなってしまう。
 
 男の上腕が、ロイを鬱陶しがることはなく。
 静かに、傾けるグラスと氷が触れあう僅かな音だけが耳に届いていた。


 身体は確かに酔いを感じているけれど。頭はどこか冷えている。
 

 士官学校から数えて、まもなく九年。
 親友で、同胞で。
 掛け替えのない存在で。
 失うことが恐ろしくて。ひたすら。
 ただ、そっと。傍らに在ることしか出来なかった。けれど。
 自分がその瞳の奥に込めるモノを、いつか悟られるのが恐ろしくて。東の端に、逃れて。
 そして。彼が……人並みの幸いを手に入れた時。
 始まらずに終わったモノに、知れず。絶望し、歪みきった安堵感に嘲笑った。

 ヒューズは、恐らく知らないだろう。
 己が胸の奥深くに沈めた、怪物を。
 己が飼い殺した、欲望を。

 お前が、欲しい。そう、泣きわめいて内臓を喉を。食いちぎろうとする魔性を。知らないで。
 肩を差し出すのだ。
 愚かにも。


「ヒューズ……?」
「んん?」
 何だ?

 何も知らぬげに己を見下ろす、切れ長の眼はすぐ側。
 とろりと。アルコールに溶けた琥珀を揺らして。ロイはふ、と笑った。

 酔っている。ひどく……。
 引き結ばれた男の乾いた唇に、触れたくて堪らない。

 ずるりと身体が傾ぐ。
「おい?」
 ロイ?

 視界の端でとらえた唇に。
 触れたくて。舌を伸ばしたくて。
「……」
 気が、触れそうだ。

 もう……狂っている。疾うに。

「ロイっ?」
「……ヒュー…」

 触れたい。
 たわいない、酔っぱらいの戯れ言と忘れてくれるなら、今。ソレを許して欲しい。

 一度きりで、いいから。
 そうしたら、綺麗に忘れたフリをするから。
 安物のアルコールに身を浸して。セントラルに置いてきた女の夢を見て間違えたのだと、笑ってみせるから。

 一度だけ。
 触れても、いいだろうか?

 お前の唇に。
 私の跡を、刻んでも?




……無理。(自爆)眠いし!!
こ〜んなのしか錬成できないんですが。もう、どうしようもなくて。


2004年02月09日(月)
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