![]() ![]() ![]() ![]()
となりの客はよく牡蠣食う客だ、という一文をちょうど読んでいた本の中に見つけて、へ? 「柿」じゃなかったの? と一瞬天地がひっくり返るような(多少誇張気味)驚きを味わったのですが、しかしスタンダードは果物のカキの方ですよね、オイスターのカキではなく。 恐らく、前後の文脈(牡蠣が出てきた)を踏まえた洒落なのだと思われます。しかし、時に呆然とするような勘違いをしていることがあるので油断がなりません。例えば、「おかしらつき」は尾と頭ではなく「かしら」に接頭語がついていると思い込んでいたことや、「あきのみやじま」はなぜ日本三景の中でここだけ季節限定なんだろうと疑問に思っていたこと、などなど。 牡蠣食う客、が出てきた『河岸忘日抄』を読み終わってしまって、居心地良い場所から煩雑な日常に帰らないと行けなくなった旅行客のように、寂しい思いをしています。どんな心情でいても、数ページ読んだだけで心が凪いで充たされる、得難い本でした。 拍手御礼。「白い魚」へ感想を下さった方へ。 なにはさておき「日当たりが悪いんだ」という一言から始めたいがために、生まれたような話ですので、印象的と仰っていただけると、とても嬉しいです。言うならば、掴みはオーケー、というような心境でございます。 日常とファンタジーのあわいを縫うような、現実に起こりそうで起こらないような、そんな話はまた書いてみたいと思っています。 感想、ありがとうございました! ![]() ![]() ![]() ![]() |