日記帳




2009年02月01日(日) 決して辿り着けない場所、あるいは路地裏の雑貨店

雑貨屋さんに行きたい、そして日常の役には全く立たねど心潤す愛くるしいモノを衝動買いしてみたい、と思っていた潜在意識が現れ出たのかどうかは分かりませんが、先日とても雰囲気の良いお店が登場する夢を見たのでした。

どうやら私は映画を見ていた(というか映画の世界に入り込んでいた)ようで、舞台は入り組んだ路地のある小さな街、主人公は可愛らしい女の子と、どこか人生に疲れた風でもある(でもまだ若い)雑貨店のオーナー、であります。彼女は本来溌剌とした少女なのですが、足の怪我のせいで思うように出歩くことの出来ない日々を送っています。

そんな中、たまたま散歩に出かけた裏路地で何者かから逃げるような風情の雑貨店店主と出会います。彼は何故か大量のミニディスクを小脇に抱えていて……とこの辺りからストーリーは夢にありがちな支離滅裂な設定を披露するので割愛しますが、とにかく偶然出会ったふたりはお茶でも飲もうかと雑貨店を訪れるのです。そのお店が、骨董品の日用品を扱う小さな店舗なのですが、とてもとても私好みの設えだったのでした。主人公の女の子が、揺り椅子に腰かけて、ガラスケースの中に並べられた古い鍵だのロケットだのをじっくりひとつずつ眺めるのですが、その場面の心楽しかったこと。

生憎、夢から醒める前に「これは夢なのだ、だからこの映画も架空のものなのだ」ということに気付いてしまったため、それでもどうにか最後まで見ようと、夢の中の私はあれやこれや手を尽くしたようなのですが、残念ながら幸せな余韻だけを残してお店も女の子も掻き消えてしまったのでした。
なんというか、訪れる度に心のほんのひとかけらが居残ってしまう(そしてまたどうしても帰って来たくなってしまう)場所、というのは確かにあるように思います。現実であれ、夢の中であれ。





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ほたる