土曜日の仕事場は静かである。まず、客が来ない。そして、電話が鳴らない。カウンターから席に戻って、あるいは受話器を置いて、さて自分は何をしていたんだっけ、と悩む必要がない。素晴らしい。仕事も捗ろうというものである。調子良く本日分が片付けば、帰りに冬もののバーゲンに立ち寄る時間だって捻出できるかもしれない、と出勤早々にも関わらず不真面目なことを考える。 エコロジーなのかエコノミーなのか、暖房の入らない室内は寒い。紅茶で暖を取りつつパソコン画面に向かっていると、上司からケーキの差し入れがやって来た。ショートケーキとチーズケーキとモンブラン。休みの日にも関わらず、部下のモチベーションをなんとか保たねばならないのだから難儀なことである、と思いつつ、有難く受け取る。 休日出勤の昼食は、皆で外食というのが暗黙の了解であり、ささやかな楽しみでもある。そんなわけで本日は洋食レストランへ。パン包みシチューが看板メニューである。幼いころから名前だけは聞き知って憧れていたお店へ、思いがけず初めて足を踏み入れることができた。焼き立ての、火傷しそうにあつあつのパンが美味しい。 夕方四時過ぎに帰宅する。来週の土曜日も同じく出勤であるから、明日は羽を休めて来週に備えておかなければ。 |