日記帳




2010年05月03日(月) 月曜美術館

遠方から来訪する友人を出迎えるついでに、京都へ行ってきました。
我が両親が数日前に挑戦するも、雨の中一時間半待ちの苦行に敗北を喫した地、京都国立博物館の「長谷川等伯展」へ。貰い受けたチケットを胸に、リベンジです。
開館5分前には到着するも、会場は既に長蛇の列。入口付近には「60分待ち」のプラカードを掲げた職員さんの姿が。でも引き下がる訳には参りません。貸していただいた日傘を左手に、持参した文庫本を右手に、人工池の周りをうねうねと迂回しつつ、順番を待ちます。京都で読む森見登美彦氏、というのは、ぴったりはまるような、はまりすぎてずれてしまっているような、乙な趣がありました。
さて、無事に潜り込んだ肝心の展示はというと、きんきらした屏風絵や、仏画には正直あまり興味を惹かれないのですが、「松林図屏風」の前では、さすがにしばしぼうっと立ち竦んでしまいました。余白をも取り込んだ、あるいは余白を恐れない美しさ……と首を捻るも、膝を叩くような表現は、残念ながら思い付かず。ただひとつ言えるのは、展示室を端まで見て回って、思わずもう一度引き返して二度見したくなる作品にはあまり出会ったことがないなあ、ということ。なんとも名残惜しい、と思ったのも、あまり無い経験でした。
あ、あとはお猿さんが愛らしかったです。

友人との合流までにはまだ時間があったので、えいやっと足を延ばして兵庫県は御影にある香雪美術館へ。堀文子さん、という方の特別展です。まろやかで華やかな色彩に、眺めていると目が躍る、といった風。絵に添えられた、ご本人の文章がまた静謐で美しい。罌粟の絵をあしらった一筆箋が販売されていたので、母上へのお土産に、ひとつ購入して帰ることにしました。

トランシーバーのように携帯メールで連絡を取り合いつつ、友人とも無事に再会し、紅茶とブルーベリーのタルトを賞味して、本日は〆。





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ほたる