いきいき定点観測記
Katsura



 さよなら。

知ってるおじさんが亡くなった。

とはいっても、こっちが一方的に知っているだけ。
片思いの、それも話でしか聞いたことのない、おじさんだったけど。

おじさんの話は、どれも愉快なものだった。
全国各地のイベントに行っては、紙袋いっぱいに本を買って
とてもうれしそうな顔をしていた話、あるひとが全然違う絵柄で
勝負しているのに「あ、これが新刊ですね」と、一瞬で負けを
決定させてみたり。

今思うと、楽しい場所を作り、守るために一生懸命だったおじさん。

そのおじさんは、もういない。
僕たちはもう、そのおじさんのことを、思い出すことしかできない。


さようなら、おじさん。

あなかがつくった楽しい場所は、僕たちが、そしてみんなが、
これからも、楽しい場所にしていくからね。

おじさんが、こっちにくるときのために、面白い本をつくるよ。


さようなら。おもしろいおじさん。




2004年03月24日(水)
初日 最新 目次 HOME


My追加