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Swingin Notes

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〜過ぎ行く日々の記録〜
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2002年08月24日(土) 「東京JAZZ」レビューのようなもの(長文注意)。

夏休み4日目の土曜日。今日は午後から「東京JAZZ 2002」というジャズのライヴ・イヴェントを観に行く予定を5月から立ててました。何せ場所が調布の東京スタジアムというウチのご近所で、出演するアーティストがハービー・ハンコックにウェイン・ショーターにマイケル・ブレッカーに・・・となれば、Jazz好きとしては食指が動かない方がおかしい。

チケットはアリーナ席の中でも最高の「G席」。チケットは2枚あって、この手の音楽に興味がありそうな人を探してたんですが、まあドタキャンとか色々のバタバタの末に、以前ウチの会社でバイトしていたE藤嬢が途中で合流してくれることに。彼女はピアノの先生だけど基本的にはクラシックしか知らないみたいなので、ジャズに触れてもらうのも勉強になって良いかなあ、という感じ。本人もスゴク興味がありそうだったし、こーゆー地道な活動がジャズの裾野を拡げるのね・・・と微妙に自己満足してみたり(笑)。

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んで、13:30開場のスケジュールに合わせて自宅の前からバスに乗って東京スタジアムへ。ホントに近いんだよな。その気になれば自転車でも行けるぐらいの距離です。会場に到着したのが14:00ぐらい。昨日雨が降っていた影響からか、スタジアムに入るとあちこちに水溜まりがあったりもしたんですが、それを除けばなかなか良い雰囲気です。特に僕みたいにアリーナ席の良いところを確保できた人間にとっては(笑)。

ちなみに僕の座席の場所はステージまで約50mの中央通路脇。近すぎず遠過ぎず、しかもステージの真正面という位置でした。うーんステキ♪

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では、今日の出演者ごとにちょっとした感想を。と言っても僕の視点は単純なファンの視点にしては捻くれてるし、かといって特定分野のプロフェッショナルでもないので、あまり参考にはならないと思いますけどね、ぷぷぷぷp。

【寺井尚子クインテット+coba】

MCのときにcoba氏が自分で言ってましたけど、オープニングアクトとしてはあまりジャズ臭を感じさせない組み合わせではありました。

coba氏は音楽のジャンルで表現するよりは「アコーディオン奏者」と呼ぶべき人物ですよね。今日の演奏もまさにそんな感じ。

一方の寺井尚子さんはリー・リトナーと共演したりして「美人ジャズ・ヴァイオリニスト」の肩書で紹介されることが多い人ですけど、やはりクラシックの素養の方が優ってるのかな、というのが今日の印象。ヴァイオリンという楽器の特性の問題なのかもね。どうでもいいけど「Donna Lee」のユニゾンがちょこっとピアノとズレたのがほほ笑ましかったっす。

ちなみに「美人かどうか」という観点に立って観た場合、僕的には合格ラインをクリアしてました・・・ってゆーか結構好み。少なくともO西J子やK府H子を「美人」と呼ぶことに較べたら遥かに妥当な表現だと思うぞ(笑)。←オイオイいいのかそのコメント?

ラストはピアソラの「リベルタンゴ」で。なかなか良いステージでした。

【熱帯JAZZ楽団】

個人的には秘かに最も期待していたステージでした。多くの人が知っている名曲をビッグバンド編成のラテン・ジャズにアレンジして聴かせる、というコンセプトは非常に興味深いものだし、実際に何枚か持っているCDを聴く限り、その演奏のクォリティはなかなかのものだったからです。

んが、実際には「ちょっと期待外れ」というのが正直なコメント。ただこれは彼らの演奏のせいと言うよりは、

「PAがヘタクソすぎ」

というところに問題がありました。東京ドームや武道館ほどではないにせよ、やはり元々がサッカー場である東京スタジアムに高度な音響を求めるのはムリがあるのかもしれません。でもなあ、コンガの低音が異常に響いてどこかと共鳴してたし、ソロ用のマイクのEQセッティングも変にピーキーだったし、もう少し考えてあげても良かったのになあ・・・と思わされる出来でした。藤陸雅裕(A.Sax)も松島啓之(Trp)も野之田万照(T.Sax)も中路英明(Trb)も、みんなやりにくそうにして(たように見え)ました。もしかしたらステージ上のモニタリングがちゃんと出来ていなかったのかも・・・という気もしますね。

そんな中で僕が一番「カッコイイ!!」と感じたのは宮本大路(B.Sax)。バリトン・サックスって1〜2回しか吹いたことないんですけど、あれは良いね。ホーンセクションの中にあってはバリバリと低音部を支え、ソロになれば低音楽器とは思えない機動力で中域〜高域まで暴れ回るパワーがある。宮本大路氏のフテブテしいキャラもナイス(笑)。

【Herbie Hancock (Future 2 Future)】

ハービーの最新作からのプロジェクト。彼のキーボード・ピットにPowerBook G4が置いてあったのを発見して秘かにほくそ笑んだりしてたのはヒミツね(笑)。でもステージ後ろのプロジェクターに映るビジュアル・エフェクトは明らかに「iTunes」のそれだったぞ・・・と突っ込んでみたりして。

今回のウリは「屋外のライヴ・イヴェントでサラウンド・システムを使用すること」なんだそうで、DJのスクラッチが観客席の左側から聞こえてきたり、キーボード・ソロが右側から聞こえてきたり・・・という仕掛けは確かに分かりました。ただ、やはりここでもPAの問題が全体の出来に微妙な影を落としていて、ウォレス・ルーニーのトランペット・ソロがイマイチ聞き取れなかったり、ハービーが使っていたキーボードの音量がデカ過ぎたりしてました。さらにカメラも、ハービーじゃなくて別のキーボーディストがソロを取っているのにずーっとハービーを追っかけてたりするような不手際も。おいN●K、しっかり撮れよな!! お前らのハイヴィジョン技術もこのバカ高いチャージに含まれてんだろ!!

あと気になったのは、ハービーのピアノ・ソロが今ひとつ面白くなかったこと。何かこう、フレーズがブツ切りの上にリズムにもあまり乗り切れていない感じで「大御所だから何でもアリだと思ってる?」という印象を拭えませんでした。うーん・・・。

【Wayne Shorter Quartet】

評判の高いライヴ・アルバムのメンバーを引き連れてのステージ。ベースのジョン・パティトゥッチはかつてチック・コリアのバンドにいたときから音を知っているので良いとして、今回驚いたのはドラムスのブライアン・ブレイド。確か2年ぐらい前にデイヴィッド・サンボーン(A.Sax)とかとブルーノート東京に出たときに観てるはずだったんですが、良く考えたらあのときはグランドピアノに隠れてドラマーは見えなかったことを思い出しました。で、何に驚いたかって言うと「叩いてる姿のキレっぷり」。あそこまでビジュアル的にキツいドラマーはオマー・ハキム以来だな(笑)。

そうそう、肝心の演奏についてですが、今度はドラムの音が異常に大きくて(特にスネア)、またしても集中力を削がれてしまいました。それからウェイン・ショーターもテナー・サックスのプレイについては素晴らしかったものの、ソプラノはリード選びをミスったのか、あるいはマイキングに問題があったのか、音がかなり「空気混じり」な感じ。本人もしきりに吹きにくそうにしていたので、聴いてるこっちまで居心地が悪くなりそうでした。まあそれでもキッチリ吹いて聴かせる辺りが流石というところなんでしょうけど、やっぱりちょっと消化不良。ピアノのダニーロ・ペレスは顔がカシオペアの向谷実に似ていたのはまあ良いとして(笑)、ちょっとバッキングが煩いような気がしないでもありませんでした。

それにしても、何だか文句ばっか言ってるなオレ・・・。

【Super Unit 〜Invitation to Cuba〜】

スペシャル・ゲストにマイケル・ブレッカー(T.Sax)を迎えてのセッション的ステージ。2曲目にどうやら最近のステージでは定番になっているらしい「ナイーマ」の無伴奏ソロも恐ろしいぐらい完璧に(いささか諄いほどに)キメ、今度は何をやってくれるのかな・・・と思ったら早くも退場のブレッカー選手(笑)。あれれ・・・、と思っていたら次のステージに登場する予定のオマラ・ポルトゥオンド(Vo)が登場して2曲。しかしこれもどうやらエンディングを決めていなかったらしく、ものすごく、ものすごく中途半端に終わっちゃいました。「こんなんで拍手しちゃイカンだろオイ」と周りの観客に突っ込みを入れたくなる出来。

ハービーやウェイン、その他のメンバーのプレイもどこかとっ散らかってる感じを受けました。もしかしたら「集団即興」だったのかもしれませんが(笑)。うーん・・・。

【Buena★Vista★Social★Club Presents Omara Portuondo】

不勉強ながら「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」を未見の僕としては、興味半分・不安半分という感じでしたが、PAの出来は今日の全ステージを通してこのバンドのときが最も良かったと感じました。オマラおばさんも前のセッションより安心して観ていられましたねえ。ま、自分が連れてきたバンドだから当然か(笑)。

そうそう、どうやら彼女を紹介するときは、「オマラ・ポルトゥオンド、ラ、マ、セクスィ!!」の「セクスィ!!」を皆で合わせるのがお約束のようだったんですが、ステージ中盤で彼女が観客に向かって「ラ、マ、」まで言ったのに対して「イェ〜イ!!」と返したバカが多くて、オマラおばさんも困ってました(苦笑)。そんなの初めて観たオレでも分かるぞ全く。何でも「イェ〜イ!!」って言ってりゃいいってもんじゃないのよ、お客さん!!

演奏についてですが、多分良かったと思います。「多分」というのは、ちょっとステージの構成が冗長すぎて、「終わりかな?」と思ったらまた曲が始まって・・・の繰り返しで途中から疲れちゃったんですね。ゲスト・ピアニストのロベルト・フォンセカ(売り出し中の新人なのかな?)を迎えての「ベサメ・ムーチョ」のデュエットはかなり良い出来で聴き惚れましたけど、全体的には「思わず立ち上がって踊り出す」というところまでは盛り上がれなかったのが正直な感想。これはPAのせいなのか、演出のせいなのか、それとも演奏そのもののせいなのか、あるいは僕自身の精神状態のせいなのか、その辺はハッキリしませんけどね・・・。

*****

というわけで、全て終わってスタジアムを出るときにはかなり消耗していて、E藤嬢ともそこで別れてバスに乗りました。色んな意味で期待が大きかった分、文句が多くなったのかもしれませんが、「すっげー良かった!!」と思えなかったのは自分としても残念。他の人の感想も聞いてみたいところではあります。こんな消化不良を抱えてるのは僕だけかもしれないし。

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何はともあれ、明日から伊豆さー。天気はイマイチみたいだけど・・・。


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