| 『彗星はいつも一人』 |
キャラメルボックスの公演を観てきました。 もう遅れるかと気が気でなかったよ〜サンシャイン劇場って何であんなに遠いの(しかもサンシャインに入ってからが!)。 何とか前説の途中で入れました。だからなのか、何故観客が皆さん柳生先輩の所で笑うのかイマイチ不明……。
今回は岡田さんが何と父親役で出ていてびっくりしました。 割とクールな役と言うか、あれね、どっちかというと『嵐になるまで待って』に近いね。まああんな恐ろしい役ではないが。 西川さんはすごいですね、やっぱり。 細見さんの役が今一つインパクトに欠けた……語り部はそうなってしまうのよね、ナツヤスミ語辞典の岡田さんもそうだったから。 お話はそう目新しいものもなかったのだけど、何だか今回すごく泣いてしまった。 確執のある父子の息子の方が、父を罵倒する男に向かって殴りかかった後、「この男は最低だ。だけどこいつを罵倒できるのは俺だけだ。憎むのも殴るのも俺だけだ」と怒鳴るシーンとか、よくある言葉なのにダーダー泣いてしまった……。 後は不老不死の男と、昔愛しあっていたのに男が不老不死であるが故に女に気持ちを告げることが出来ず離ればなれとなった、すっかり年老いた女とが再会するシーン。(分りづらい説明) 男は30くらい、女は80くらいなんですがやっと女が思いを伝えるの。 男はやはり最後まで好きだとは言わないのですが、最後の最後で女を「ナオさん」と初めて名前で呼ぶの。 そして「あなたは私を昔とちっとも変わらないと言ったが、あなたも変わらないよ。昔と、変わらない」と言うシーンがね……泣いちゃった。西川さん演技が上手すぎる…………!!こう書いても何の感動も伝わらなさそうですが、あのほんとに感動的なんですよ。 しかも毎年夏に女の様子を伺いに遠い田舎まで男は行ってるのですが、来年も再来年も待ってます、と女が言うシーンも大泣き。 だって……絶対後数年で死ぬもの………。 それが例え叶わなくても、約束があるからいい。本当に大事なものはもう分ったから。
男も女もそう思ってるんだろうな……そしてそれは父子にも言えることなんですよ……父の方は肺がんで、おそらく後半年で死ぬと言うのに、今回果たされなかった父子の決闘(剣道の試合ですが)を来年の今日に又やろう、と約束するので。
そして不老不死の男は、彗星のように1年に1回だけ、女の元に姿を現すんです。48年前と変わらない姿で。 そして女が死んだとしても、永遠に変わらない姿で生き続けるんです。 一人で。
あー不老不死ってほんとに切ないですね。 永遠にひとり。こんな完全な孤独ってないですよ。 人間は生まれる時も死ぬ時も一人とは言いますが、一人で生き続ける方が数倍も孤独。
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2003年12月21日(日)
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